華為の最新ノート型PC、中国ではなく台湾製5ナノ半導体使用が判明
Vlad Savov、Debby Wu-
テックインサイツによる分解でTSMCが3年前に製造のチップ発見
-
今回の分解結果で中国製チップの技術的飛躍の観測は打ち消される
中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)の最新ノート型パソコン(PC)は、台湾積体電路製造(TSMC)製チップで動作していることが分解の結果、明らかになった。中国の技術的躍進に関する観測がまた一つ打ち消された。
ブルームバーグ・ニュースの委託を受けた調査会社テックインサイツによる分解では、ノート型PC「Qingyun L540」には、2020年にTSMCが製造した回路線幅5ナノメートル(nm)のチップが搭載されていたことが分かった。この結果はファーウェイの国内半導体製造パートナーである中芯国際集成電路製造(SMIC)が製造技術で大きな飛躍を遂げたのではないかという見方に反するものだ。
ファーウェイは昨年8月、SMIC製の7nmのプロセッサーを搭載したスマートフォンを発表して米中間に波紋を広げた。
カナダに拠点を置くテックインサイツがブルームバーグ・ニュースの委託で行った分解の結果、「Mate 60 Pro」のチップは最先端製品から数年しか遅れていないことが判明。米国が輸出規制で阻止を目指したにもかかわらず中国の技術的進歩が明らかになったことで、中国のハイテク業界では喜びの声が上がったが、米国では制裁の有効性について議論が巻き起こった。
テックインサイツによる最新の分解では、TSMCの5nm方式で製造されたプロセッサー「Kirin 9006C」が発見された。これは20年7-9月(第3四半期)ごろに組み立てられパッケージされたものだ。業界専門家は以前、SMICが米国の制裁の回避策を考え、こうした画期的な進歩を遂げたと推測していた。
ファーウェイとTSMCの担当者はブルームバーグ・ニュースの取材に対しすぐにコメントはしなかった。
TSMCはファーウェイとの関係を断つ前は、5nmチップを同社に供給していた。ファーウェイは19年から米政府が禁輸対象とする「エンティティーリスト」に掲載されているが、TSMCが米国の輸出規制強化に対応するためファーウェイからの受注を停止したのは20年に入ってからだった。
ファーウェイが3年前のプロセッサーをどのように調達したのかは不明だが、同社は米国によって部品などへのアクセスを世界的に遮断され始めて以来、重要な半導体製品を備蓄している。
関連記事:
原題:Huawei Teardown Shows 5nm Laptop Chip Made in Taiwan, Not China(抜粋)