単に「言葉遊び」で終わらせず、具体的にどの要素が心を動かしたのかを明らかにすることで、より深いインサイトを得られます。
1.感性価値の位置づけ
洗濯機なら「洗浄力」、車なら「エンジン性能」が機能的価値です。
一方で、実際に使って「ワクワクした」「癒された」といった感覚が情緒的価値です。
感性価値は、そのどちらでもありません。
直感的に「かっこいい」「かわいい」「楽しそう」と思わせる、まさにファーストインプレッションこそ、感性価値の核心です。
2.感性価値の重要性と背景
消費者が製品やサービスに抱く「かっこいい」「おしゃれ」といった言葉は、単純な性能比較では捉えきれず、視覚的デザイン、質感、パッケージ、広告など多様な要素が絡み合って形成されます。
そのため、調査プロセスでは、「かっこいい」の言い換えワードを追うのではなく、どの情報のどの部分に感性価値を感じたのかを丁寧に掘り下げる必要があります。
3.感性価値を深堀るための調査アプローチの注意点
・どの情報(デザイン、コピー、写真など)のどの部分に直感的な魅力を感じたのかを掘り下げる。
・他に感性価値を感じた要素がないか、違う見え方だったらどうか、といった多角的な視点で質問を設計する。
・もっとも強く作用した要素=情報が何かを特定し、単なる言葉遊びで終わらせないことが重要。
4.感性価値の深堀り事例紹介:アウトドアジャケットの「魅力」を解明する
消費者が「このジャケット、かっこいい!」と感じた背景を探るため、下記のような要素を対象にインタビューを実施。
・シルエットや配色といった見た目の印象
・素材感やステッチのディテール
・ビジュアルの見せ方
参加者には実際のジャケット写真やキャッチコピー、カラーサンプルを提示し、「なぜここに惹かれるのか?」を深掘り。
その回答をもとに、「シャープなシルエットが洗練感を生む」「マットな質感が冒険心を刺激する」など、感性価値を構成する要素とその相対的インパクトを可視化します。
5.感性価値をひも解く調査手法の例
・MROC(コミュニティ調査)
継続的なオンラインコミュニティでの対話を通じ、参加者自身も気づかない深層のインサイトや、時間経過による感情変化を抽出する。
・エスノグラフィ調査(訪問観察)
生活者の日常行動を観察。言語化されない感情や習慣の背景をつかみ、潜在ニーズや違和感を発見する。
・チャットインタビュー調査
顔が見えない状態で自分のペースで応答できるため、率直な本音や感情表現を引き出しやすい。
動画・画像を活用し、体験のリアルと感情の裏側を同時に記録する。
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