斎藤知事、百条委の指摘受け入れず 「一つの見解」「対応は適切」

有料記事

[PR]

 兵庫県内部告発問題をめぐり、県議会は5日、斎藤元彦知事らのパワハラなどの疑惑を「一定の事実」とし、告発者への対応でも「公益通報者保護法違反の可能性が高く、大きな問題があった」とする調査報告書を了承した。斎藤知事は同日午後の定例記者会見で「一つの見解が示されたということ。文書問題の対応は適切だったと考えている」と述べ、県議会の指摘を受け入れない考えを示した。

 報告書は、地方自治法に基づき設置された県議会の百条委員会が、約9カ月にわたる調査の末に取りまとめた。国の法律を根拠とした調査結果を顧みない斎藤知事の姿勢に対し、県議会からは「議会とのコミュニケーションを重視すると言っていた姿勢とは反する」「報告書は議論を重ねてできた重い内容。受け止めずに是正しないのであれば知事としてふさわしくない」など批判の声が出ている。

 百条委の過去の事例では首長の辞職につながったケースもある。報告書では斎藤知事に「厳正に身を処すことを期待する」とし、「政治家としてのけじめ」(ある県議)を求める声もある。斎藤知事は会見で「斎藤県政を進めていきたい」として、辞職する考えがないと表明した。

 報告書では、県の元西播磨県民局長が内部告発した「七つの疑惑」のうち、斎藤知事の県職員へのパワハラなど5項目について「一定の事実」があったと認定。斎藤知事らの元県民局長への対応については、「告発者捜し」や懲戒処分などを「公益通報者保護法違反の可能性が高い」と結論づけ、「客観性、公平性を欠き、行政機関の対応としては大きな問題があった」と厳しく批判した。しかし、斎藤知事は会見で、報告書は「一つの見解だ」という表現を何度も繰り返し用いた。

 報告書ではさらに、元県民局…

この記事は有料記事です。残り530文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

兵庫県の内部告発文書問題

兵庫県の内部告発文書問題

2024年3月、兵庫県の斎藤元彦知事らがパワハラ疑惑などを内部告発されました。告発への知事の対応をめぐって県議会と対立しましたが、出直し選挙では斎藤知事が再選を果たしました。最新ニュースをお伝えします。[もっと見る]