直前でも焦らない!「確定申告書等作成コーナー」使い方の徹底解説(全画面キャプチャ付き)
インターネット環境とプリンターがあれば確定申告書をパソコン上で作成できる、国税庁が提供する「確定申告書作成コーナー」。自宅で作業できること、画面に表示される案内に沿って作成していくことなどから、慣れない確定申告書を一人で悩みながら手書きで作成するよりも早く楽に行うことができます。このページでは、確定申告書書作成コーナーを使ったことが無い人向けに、その利用方法・入力手順や便利な機能などをご紹介いたします。
確定申告に慣れていない人は「確定申告パーフェクトガイド - 税金の仕組みから仕訳・節税のポイント、申告書の書き方まで」の記事も合わせてご覧いただくと、よりスムーズな申告ができるでしょう。
目次
確定申告書作成コーナーとは?
確定申告書作成コーナーとは、画面の案内に沿って金額等を入力することで、確定申告の申告書等の作成を行うことができる国税庁が提供しているシステムです。作成した確定申告書等は印刷して税務署へ提出することができます。つまり、インターネット環境とプリンターがあれば、自宅で簡単に確定申告書を作成することができます。
確定申告書作成コーナーのよくある疑問・便利な機能
実際に確定申告書作成コーナーを利用する前に、よくある疑問や知っておいた方が良い便利な機能をご紹介いたします。
e-Taxとは何が違うの?
e-Taxとは、同じく国税庁が提供している、インターネット上で確定申告等の申告書の作成から提出・納税までを行うことができるシステムです。申告書等の作成までをインターネット上で行えるのが確定申告書作成コーナー、申告書等の提出と納税までをインターネット上で行えるのがe-Taxと理解しておくと良いでしょう。
e-Taxを利用すると、申告書を税務署へ持参や郵送する手間だけでなく、添付書類も必要事項を入力して送信することができるため書類を提出するための手間も省くことができます。また、通常の方法で申告書を提出するよりも1週間~2週間程度、還付を受けることができるメリットなどがあります。
しかしながら、e-Taxを利用するためには、電子証明書の取得やICカードリーダライタの購入、ソフトウェアのインストールなどの事前準備があるため、確定申告の1か月くらい前から準備を行っておく必要があります。
利用するために必要なパソコン環境
確定申告書作成コーナーで申告書の作成を始めると、一番初めにパソコンのOS・ブラウザなどの利用環境の確認画面が表示されます。平成26年分の申告についての推奨環境は以下の通りです。また、プリントアウトするためのプリンターは必須となります。
- | Windows 環境 | Macintosh 環境の場合 |
---|---|---|
OS | Windows Vista Windows 7 Windows 8.1 | Mac OS 10.7 Mac OS 10.8 Mac OS 10.9 |
ブラウザ | InternetExplorer 8.0 InternetExplorer 9.0 InternetExplorer 10.0 InternetExplorer 11.0 Firefox 33 GoogleChrome 38 | Safari 6.1 Safari 7.0 |
PDF閲覧ソフト | Adobe Reader X Adobe Reader XI |
作成データの途中保存ができる
申告書作成のためのデータを入力していく中で、すぐに分からないときや、時間が足らなくなってしまって後日に続きを行いたいときなども当然あるでしょう。このようなときのために、途中まで入力したデータを保存する機能がついています。
具体的には、「入力したデータを保存する」ボタンが各入力画面の下にあるので、ここを押して画面の案内に従ってデータを保存します。続きを行うときには、確定申告書作成コーナーのTOPページにある「作成再開」というボタンを押して、途中保存したデータを読み込ませることで、入力したデータの続きから再開することができます。
また、昨年申告したデータを読み込ませることもできます。これを利用して申告書作成の時間を短縮できる場合もあるでしょうから、これから作成するデータを来年のために残しておくとよいでしょう。
確定申告書作成コーナーの全手順
それでは、実際の申告書の作成について、確定申告書作成コーナーの画面を参照しながら大まかな手順をご紹介いたします。確定申告書作成コーナーへは以下のURLからアクセスいただけます。
1.申告書等の作成開始
以上が確定申告書作成コーナーのTOPページです。まずは赤枠部分の「作成開始」ボタンをクリックします。
2.税務署への提出方法の選択
ここでは、e-Taxを利用しない場合を例としてご紹介していますので、赤枠部分の「書面提出」ボタンをクリックします。
3.動作環境の確認
赤枠部分にチェックを入れると、すべての項目にチェックが入るので、「次へ」をボタンをクリックします。クリックして進む前に、推奨された環境が整っているかをよく確認しておきましょう。
4.作成する申告書等の選択・データ入力
作成する申告書を選択します。個人事業主であれば、青色申告・白色申告に限らず上の二つのコーナー、課税事業主であれば上の三つのコーナーでの作成が必要です。年末調整を受けているサラリーマンなどが、住宅ローン控除や医療費控除を申告するのであれば、上から二つ目のコーナーだけを作成します。また、申告し忘れた過去の分についても申告することができます。
あとは画面の案内に従って必要なデータを入力していきます。このページでは、個人事業主が作成する必要がある上の二つのコーナーの入力手順について以下でご案内いたします。
5.印刷・データの保存
画面の案内に従って進めていけば、印刷・データの保存まで完了します。複数のコーナーで作成が必要な場合は、忘れずに必要なすべてのコーナーで入力・作成しましょう。
青色申告決算書・収支内訳書 作成コーナーのデータ入力手順
青色申告者が「青色申告決算書」を、白色申告者が「収支内訳書」を作成するために利用するコーナーです。ここを先に入力することで、後述する所得税の確定申告書を作成するときに入力内容が引き継がれるため、順番を逆にしないようにご注意ください。
作成開始
データの入力を開始するために「作成開始」ボタンをクリックします。
過去のデータを読込むときは
過去分のデータを利用する時は、TOPページで「過去の年分のデータ利用」をクリックしましょう。この場合は以上の画面になるので、参照ファイルを選択して保存データを読込ませましょう。
提出方法等選択
以上の画面で提出方法と作成する書類を選択します。上の欄は下にチェックを入れます。下の欄は、白色申告のときは真ん中を、青色申告で65万円の特別控除のときは一番上、10万円の特別控除のときは一番下を選択します。
ここでは例として、青色申告で65万円の特別控除を選択します。
帳票選択
所得の種類によって該当箇所を選択します。ほとんどの方は一番上が対象になると思いますので、ここでは、これを例として選択します。
決算書(一般用)
記帳したデータを参照しながら、必要な箇所だけを埋めていきます。青くなっている部分はクリックすると別画面になるので、そこに入力します。分からない勘定科目があれば以下の記事もご参照ください。必要な項目の入力が完了したら「入力終了(次へ)」をクリックします。
帳票選択(再)
各科目の入力が完了すると以上の画面に戻ってきます。入力した内容が反映されているので、間違いがないかを確認して「入力終了(次へ)」をクリックします。
青色申告特別控除
青色申告特別控除の金額の選択と、貸借対照表の作成をするかしないかを選択します。特別控除65万円を選択するときは、貸借対照表の作成が必要です。
貸借対照表(一般)
以上のような貸借対照表の入力画面が表示されるので、該当する箇所を入力しましょう。資産の部と負債・資本の部の期末の合計額が一致する必要があります。
所得金額の確認
以上のように入力した内容が表示されているので、確認して「次へ」をクリックします。
住所・氏名等の入力
住所や氏名等を画面の案内に沿って入力します。整理番号と提出年月日は入力しなくても大丈夫です。
決算書・収支内訳書の印刷
提出するために「帳票表示・印刷」をクリックして印刷します。印刷が終わったら「印刷終了 次へ」をクリックしましょう。
作成後の確認事項
最後に以上のような確認事項へのリンクが表示されます。念のため誤りが無いか、該当箇所を一読すると良いでしょう。
決算書・収支内訳書作成コーナーの終了
青色申告決算書の作成はこれで完了です。来年の申告のためにもデータを保存しておくとよいでしょう。中段のボタンをクリックすると、所得税の確定申告書作成に進みます。
所得税及び復興特別所得税の確定申告書 作成コーナーのデータ入力手順
次に所得税の確定申告書の作成手順をご紹介いたします。
申告書の作成をはじめる前に
提出方法や成年月日などを入力します。また、最後に入力フォームの形式を問われます。チェックを入れると以下のような画面になります。見やすいと思える方をご選択ください。
チェックを入れた場合の入力画面
収入金額・所得金額入力
前の画面の最後の入力フォームの表示でチェックを入れないと以上のような画面になります。事業所得については、先に入力した内容が引き継がれているため、それ以外の収入があるときは該当する項目の「入力する」ボタンをクリックして入力します。事業所得以外の収入が無いときは入力不要です。
所得控除入力
以上の所得控除の入力についても、所得控除があるときに、該当する項目の「入力する」ボタンをクリックして入力します。
適用できる所得控除は漏らさず入力しましょう。所得控除で分からないものや不安なものがあるときは以下の記事もご参照ください。
税額控除・その他の項目の入力
次に、税額控除やその他の項目を入力します。ここでも該当する項目だけを入力します。所得控除と税額控除の違いについては、以下の記事をご参照ください。
計算結果確認
ここまで入力した結果が自動計算され、納付する金額が表示されます。各項目に誤りが無いか確認して、誤りがあれば修正しましょう。また、延納する場合はこの画面から手続きします。
住民税等入力
画面に例示されている項目に該当するときは「入力終了(次へ)」ボタンをクリックします。個人事業主は該当するため、クリックして次に進みます。
住所・氏名等入力
住所や氏名などを入力します。すでに入力してある項目は引き継がれているので、空いている箇所を画面の案内に従って埋めていきましょう。
画面の下部には納付額と、納付方法の案内が表示されます。振替を選択するときはこのページから振替依頼書を作成します。
申告書等の印刷
印刷画面が表示されるので「帳票表示・印刷」をクリックして印刷します。印刷が終わったら「印刷終了 次へ」をクリックしましょう。
作成後の確認事項
青色申告決算書のときと同じように、確認事項が表示されます。
確定申告書作成コーナーの終了
最後にデータを保存して申告書の作成がすべて完了です。
確定申告書の提出、納税・還付
申告書の作成・印刷ができたら、管轄する税務署へ持参・もしくは郵送します。控えも含めて、できた申告書等はすべて提出します。申告書には捺印が必要な箇所があるので忘れずに行いましょう。また、添付書類を台紙に張り付けて提出する必要もあるため、これも忘れず行いましょう。
申告書を提出したあとには、税金の支払いを行って確定申告が完了となります。または、還付を受ける場合は、申告書の提出から約1か月後に指定した口座に振り込ます。
来年の確定申告への対策
今年の確定申告は以上で終わりますが、事業を行っている方であれば、確定申告は毎年行う必要があります。白色申告を行っているのであれば青色申告を検討して、選択するためには事前の届出を行ったり、条件を満たせば消費税を納める義務も発生するため、簡易課税なども検討して事前の届出を行うことも必要です。
効果的な節税を行うには、確定申告の直前でなく、仕組みを理解して事前に適切な手続きや、普段から対策を行うことが大切です。必要に応じて以下の記事などもご参照頂ければ幸いです。
- 来年の確定申告に向けて知っておくべき各種届出と提出期限のまとめ
- 青色申告と白色申告を徹底比較!タイプ別にオススメを聞きました
- 売上1000万円を超えた個人事業主が知っておくべき消費税の基礎知識と手続き
- フリーランスなのに退職金!?小規模企業共済で賢く節税&積立
おわりに
e-Taxと比べて、申請までを行うことはできませんが、事前に特別なセットアップなどを行う必要もなく、無料ですぐに使うことができます。これから確定申告書を作成する人は、一度試しにアクセスしてみてはいかがでしょうか。
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