ウクライナ侵略長期化で兵士遺体の状態悪化…身元特定困難な遺体も、法医学者「半分は骨か体の一部だけ」
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ロシアによる侵略開始から3年を迎えたウクライナでは、連日、遺体安置所で戦死した兵士らの検視や身元確認が行われている。戦闘が長期化するにつれ、状態が悪い遺体が増えた。侵略当初から遺体を見続けてきた法医学者は、戦況の変化を感じ取っている。
キーウにある遺体安置施設。裏手の駐車場には、3年前から常時稼働している巨大な冷凍トラックが2台ある。11日、扉を開けると、白い袋に入った遺体が約60体並べられていた。中には、侵略初期に運び込まれた遺体もある。オレクサンドル・ミハイレンコ医師(52)は、「身元が判明していない遺体だ」と残念そうに説明した。
ロシア兵の遺体との交換でウクライナに戻ってきた遺体も多い。医師はこう続けた。「返還された遺体の状態はかなり悪い。ずさんに扱われ、冷凍保存などしてくれないのだろう」
1日70~80体
ウクライナの首都キーウにある遺体安置施設では、検視などを終えた遺体がひつぎに納められ、運び出される。遺族らはひつぎの蓋を閉める前に冷たい額をなで、何かを語りかけて「最後の別れ」をする。
だが、中には袋に入れられたままひつぎに納められる遺体もある。法医学者オレクサンドル・ミハイレンコ医師(52)は「損傷が激しすぎたり、骨だけとなったりした遺体だ。最近はこういうケースが多い」とため息をついた。