【ワシントン=鈴木龍司】米映画界の最高峰、アカデミー賞を受賞した宮崎駿監督(83)の長編アニメ「君たちはどう生きるか」は、太平洋戦争中に火事で母親を亡くした少年の心の葛藤を描いた。「困難で激動の今の時代に対し、強く問いかける傑作だ」。米国でジブリ作品を研究する第一人者の米タフツ大のスーザン・ネイピア教授(68)は、世界で戦争が続く中での受賞を「痛切な意義がある」と評した。
◆「メッセージ複雑」不安がささやかれたが…
日英のアカデミー賞や米ゴールデン・グローブ賞などにも輝いた「君たちはどう生きるか」は、事前から「本命」との呼び声が高かった。ただ、一部には「米国人にはメッセージが複雑で難解」といった不安も出ていた。
ネイピア氏は宮崎作品を「ハリウッド的な善悪や、基本的にハッピーエンドのディズニー作品とは一線を画し、人間の光と闇、複雑さをありのまま描いている」と評価。戦中生まれで空襲を経験した宮崎監督の生い立ちを踏まえ、「今回は自伝的な作品。彼は戦争というテーマから絶対に...
残り 440/879 文字
この記事は会員限定です。
- 有料会員に登録すると
- 会員向け記事が読み放題
- 記事にコメントが書ける
- 紙面ビューアーが読める(プレミアム会員)
※宅配(紙)をご購読されている方は、お得な宅配プレミアムプラン(紙の購読料+300円)がオススメです。
カテゴリーをフォローする
おすすめ情報
コメントを書く
有料デジタル会員に登録してコメントを書く。(既に会員の方)ログインする。