さてさて、今日は電車の旅です。
GW前半真っ只中、絶好の行楽日和のお天気模様。
で、乗ってる電車はJR大和路線の加茂行快速。
加茂行ってよく聞くけど行ったことないという人も多いでしょう。
今日の旅の行先は加茂の1つ向こうの駅、京都の「笠置駅」
加茂駅で関西本線亀山行のディーゼル車に乗り換えて1駅。
それが笠置駅なのであるが、笠置駅になりがあるのかというと・・・
実は昭和時代に笠置温泉として大いに賑わった温泉地だったんだ。
しかも大阪・奈良から急行「かすが」が笠置駅に停車していたという。
今は源泉が枯れてしまい、廃墟化し、Youtuberが訪れる心霊スポットになっている。
そんな笠置駅、木津川沿いを散策出来るハイキングコースもあり、ボルタリングの聖地ともいわれているので散策へと向かったのである。
- まずは笠置駅周辺を散策
- 廃墟となった笠置温泉「笠置館」へ
- 心霊スポットYoutuberによる恐喝事件が話題となった笠置観光ホテル
- 秘境の踏切と沈下橋からの景観
- 木津川横断コースと呼ばれるハイキングコースへ
まずは笠置駅周辺を散策
さて、加茂駅に到着して、向かいのホームに停車しているディーゼル車キハ120形の亀山行に乗り込む。
関西本線は概ね1時間に1本ほどのペースで運行されている。
車両内はこんな感じ。
運行距離が短いディーゼル車だがトイレが設置されているのが驚き。
みなさんどちらに向かうのか行楽目的の乗客が多い印象。
加茂駅を出てしばらく走るとディーゼル車は木津川沿いを進んで行く。
新緑がまばゆい渓谷からの見晴らしが心地よく、通勤電車では味わえない独特の車両の揺れとともに楽しむ。
まるで子供みたいに最後尾の窓ガラスの景色にくぎ付けになってしまった。
まばゆい景色に気を取られているうちに笠置駅に到着。
乗ってきた車両を見送る。
ホームにはカメラを携えて写真撮影をする人が4、5人。
みなどのような目的でこの駅で降りたのかは分からないが、味わいある駅舎を撮影したいという気持ちはよくわかる。
帰りの電車の時刻表をチェックしておこう。
また、ハイキング途中で車両が通る時間帯もチェック。
撮影ポイントがあれば車両の撮影もしたいしね。
駅舎を出ると小さなロータリーがある。
当然ながら駅前にコンビニなどはない。
小さいながらも駅前には観光案内所があったので周辺マップとハイキングコースのマップをいただく。
笠置探索マップはこんな感じ。
木津川沿いや笠置山にいくつかのハイキングコースがある。
振り返って笠置駅の駅舎。
リニューアルはされているものの木造駅舎で昭和感を残している。
駅前すぐに神社の鳥居もあった。
非常に密集した形で神社や観光案内所、駅舎などがまとまっている。
さて、笠置駅を後にする。
今回の旅の目的でもあるかつての温泉地として名残を探しに木津川沿いのハイキングコースを目指す。
駅から少し歩くと案内板があった。
広告欄には笠置温泉「笠置館」、料理旅館「よしや」、かわかさぎ温泉「紅葉屋」という広告。
これは温泉地としての名残だな。
木津川は古くから運搬の要所のため街道が通っている。
木津川の運搬は柳生家が仕切っていたそうだ。
街道沿いにはいかにも歴史がありそうな建物が並ぶ。
やはりかつては温泉街として賑わったのだろう。
商店らしき面影の建物が多い印象。
笠木温泉前かさおきという看板。
かつてはビリヤードなどの娯楽施設があったのか。
廃墟となった笠置温泉「笠置館」へ
さてさて、笠置駅から木津川沿いへと出てきた。
ここから木津川沿いを歩く「銀の帯ハイキングコース」
片道約4㎞の60分コース。
で、そのハイキングコースの入り口にあるのが笠置温泉「笠置館」
この奥にズラーっと笠置館の建物が続くだ。
で、ハイキングコースの景色はというとこんな感じで見晴らしの良い渓谷なんだな。
まわりは低い山なので空が広く見える。
で、見上げ見ると廃墟となった笠置温泉「笠置館」が見える。
屋根がずり落ちているがかなり日本風情のある建物であったことが分かる。
ガラス格子の枡の細かさが独特な建物だ。
続いて奥には鉄筋コンクリートの建物。
新館なのだろう。
こちらも廃墟となっている。
ちらっと中が覗けそうだったので覗いてみた。
浴室のようだ。
岩風呂の装飾に凝った形のタイル張りの湯船。
こなりこだわった造りなのではないだろうか。
ここから館内に入れそうではあるが、心霊スポットとしてよからぬ行為をする人もいるのでくれぐれも館内には入らぬよう。
さらに奥に進むと別館という位置づけなのだろうか。
コンクリートの建物に続いて再び木造の旅館らしき建物がある。
しかし、もはや自然に帰ろうとしている感じであった。
笠置館を見上げるだけでは全貌が分かりずらいので木曽川の対岸に渡って全貌を確認してみる。
こちらが自然に帰ろうとしている別館と思われる建物。
全貌を見ると相当大きな旅館であったことが分かる。
この写真の左にまだ木造の別館が2棟あるので。
ネットで調べるとまだ営業していた情報が残っていた。
そこには収容人数100名と記載があったが、往年の頃は100名どころのキャパではなかったであろう。
100名と記載されているのは源泉を失い、料理旅館として経営していたころの話ではなかろうか。
ちなみにこの「笠置館」は
1897年(明治30年)にここから約3k上流の温泉の源泉近くに温泉旅館を開業。
だが、交通の便が悪いため笠置駅近くに移設したのがこの「笠置館」
まさに笠置温泉の元祖となる旅館である。
しかしながら1953年のジェーン台風、1959年の伊勢湾台風で源泉を繋ぐパイプが破損、その後、ダム建設によって源泉そのものが水没し、源泉の修復が困難に。
源泉に頼る事が出来ず、その後は料理旅館として営んではいたものの、2010年代に閉業となった。
昭和13年発行の「史蹟 笠置山案内」を見てみると、木津川沿いに大きな瓦屋根の旅館が立ち並んでいるのが分かる。
笠置温泉の対岸には笠置新温泉と記されている。
この絵を見ると、「笠置館」だけでなく、何軒か温泉旅館があったようだ。
心霊スポットYoutuberによる恐喝事件が話題となった笠置観光ホテル
さてさて、廃墟となった笠置温泉「笠置館」をあとにして、ハイキングを楽しもう。
新緑の鮮やかさが際立つ山景に足取りも軽くなる。
銀の帯ハイキングコースを進むと、コースは関西本線の真横を通る道となる。
ここまで電車が真横を通る道というは珍しいのではなかろうか。
時たま木々が開けた場所から木津川の絶景が眺める。
ほんとうに今日は青空が綺麗な行楽日和だわ。
しばらく歩くと木津川の対岸に見えてくる落書きだらけの廃墟ホテル。
これが心霊スポットとして有名な笠置観光ホテルである。
心霊系Youtuberが多数訪れ、あげくの果てには心霊系Youtuberが訪れた心霊系Youtuberに対して不法侵入として一人30万円恐喝するという事件が起きたのは2023年の事。
11グループ、34人に恐喝をしていたそうだ。
笠置観光ホテルはテレビにも出るほどの関西屈指の心霊スポット。
霊の目撃例は様々すぎて、かなりの数の霊体験をするのだそうだ。
ちなみに笠置観光ホテルは1962年(昭和32年)に開業。
1990年代に閉業となっている。
2000年には不審火による火災もあったそうで、アクセスの良さから廃墟マニアや肝試しに来る若者が多いのだろう。
笠置観光ホテルには行くにはここに車を停めて、ハイキングコースを進めばたどり着く。
しかし、不法侵入が多いため警告と監視カメラが備えられている。
実際にハイキングコースを歩いて笠置観光ホテルの真下まで行ってみた。
好奇心だけでは入ろうとは思えないのだが。
ちなみに笠置観光ホテルへと向かうハイキングコースは決して見晴らしがいいわけでもなく、こんな大きな落石がそのまま放置されているぐらいなので、ほとんど誰も通らないのだろう。
秘境の踏切と沈下橋からの景観
さて、先ほどの銀の帯ハイキングコースに話を戻そう。
関西本線の真横を通るハイキングコースだが、進むと見えてくるのが・・・
なんと山の中のハイキングコースに踏切とな。
1人しか渡れないであろう小さな踏切。
秘境踏切と言われているそうな。
そこで急に踏切の警報音がなったので、電車の撮影をばとかまえていたのですが・・・
急に現れて構図も何も工夫をする余地なしでした。
さて、踏切を超えると陸橋が見えてくる。
ここは絶好の電車撮影スポットだわ。
ということで電車を待ち構えて撮影。
さて、ハイキングコースは木津川を離れ支流である布目川へ。
木津川の大きな渓谷とは違い、白い岩肌がまばゆい清流へと。
今度は布目川から集落へと出てきた。
ここでまた木津川へと合流をする。
それにしてもこの集落の景色の美しいこと。
田畑が広がり、細い用水路には清らかな水。
で、ここでも電車撮影。
これはいい写真が撮れたわ!
ファインダーをのぞくと乗車していた男の子が私のカメラに気づいてピースをしてくれた
ピースをして返したかったがシャッターを切っている最中だったんだ。
さて、銀の帯コースの終着点である沈下橋に出てきた。
さて、沈下橋から眺めると、なにやらローアングルでカメラをセッティングしているおじさんが・・・
おじさんが見つめる先には鉄橋がある。
で、私もの隣にお邪魔して鉄橋を渡るディーゼル車キハ120形を撮影。
いやいやのどかなこと。
木津川横断コースと呼ばれるハイキングコースへ
さて、そろそろ笠置駅へと帰るべく、木津川横断コースというハイキングコースを進む。
このコースは山沿いの集落の生活道路を進むコース。
さて、集落の町並みを散策しながら笠置大橋まで帰ってきた。
木津川沿いのキャンプ場は御覧のように大盛況。
日帰り大人1人500円。
宿泊は大人1人1000円とのこと。
奈良市街や京都市街からも近いので小さな子供とのキャンプには交通アクセスが便利。
しかしながらそれゆえに水難事故も多いので要注意。
さて、今日の旅はこれで終わり。
再び笠置駅から大阪へと帰る。
約4時間30分の笠置ハイキングコースの旅でしたとさ。
ではでは。