将棋の第83期名人戦七番勝負第5局は29、30の両日、茨城県古河市で指され、千日手指し直しの末、先手の藤井聡太名人（22）＝棋聖、竜王・王位・王座・棋王・王将＝が171手で挑戦者の永瀬拓矢九段（32）を破り、対戦成績4勝1敗で防衛、3連覇を飾った。
これで、藤井名人は通算タイトル獲得数を歴代5位の29期に更新。令和7年度、最初のタイトル防衛戦を制した。6月3日からは杉本和陽六段（33）を挑戦者に迎え、棋聖戦5番勝負で6連覇を目指す。
藤井名人は6年6月に叡王を失い、全8冠から7冠に後退。その後はタイトル防衛を続けている。全冠復帰については早くても来年以降になっている。今期の名人戦七番勝負は第4、5局で決着のつかない千日手となる異例のシリーズに。藤井名人は序盤からじっくり考える場面が多く、深い読みが光った。