挿画・おかやまたかとし
博多湾を渡る初夏の風に、しゃもじと太鼓と下駄(げた)の音がカラコロと重なり合うと、「ああ、どんたくの季節が来た」と博多っ子は胸を躍らせる。毎年5月3、4日に開かれる「博多どんたく港まつり」の源流は、平安期に遡(さかのぼ)る「博多松囃子(まつばやし)」だ。新年を寿(ことほ)ぐ門付け芸が江戸期には町衆主導の祝祭へと姿を変え、明治期に“どんたく”と呼ばれるようになった。オランダ語のZondag(ゾンターク、休日の意)の訛(なま)りという俗説も、...
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