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空とぶ黒メダカさんが投稿したほそばら(長野/西条)の口コミ詳細

空とぶ黒メダカのレストランガイド

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空とぶ黒メダカ (70代以上・男性・長野県) 認証済

この口コミは、空とぶ黒メダカさんが訪問した当時の主観的なご意見・ご感想です。

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ほそばら西条/そば、うどん

1

  • 昼の点数:4.5

    • ¥1,000~¥1,999 / 1人
      • 料理・味 4.5
      • |サービス 5.0
      • |雰囲気 4.5
      • |CP 5.0
      • |酒・ドリンク 3.0
1回目

2012/02 訪問

  • 昼の点数:4.5

    • [ 料理・味4.5
    • | サービス5.0
    • | 雰囲気4.5
    • | CP5.0
    • | 酒・ドリンク3.0
    ¥1,000~¥1,999
    / 1人

山の奥のそのまた奥に・・・たぶん辿りつけないと思います(笑)

信州にこんなお蕎麦屋さんがあるなんて、言ってもたぶん信じて貰えない。
・・と思うのですけれども(笑)。

*  *  *

「昨日の夜はどちらに?」
「ナンですかッ。名乗らぬ前から・・あ~ びっくりした」
「どうせ8オンスあたりで下地を作って、夜の街に繰り出したのかと・・」
「君はいつもそう云うけどね。ボクだって・・」
「で、やっぱり8オンス?」
「当ッたり~! 久しぶりにカメラを携えてメニューを中心に撮りまくって来ましたッ」
「ンで、仕事の方は?」
「あははッ。昨日はね、発掘の方がひと段落したもんだからサ」
「それは結構なことで」
「ありがとゴザイマス」
「ンで、今何処?」
「おせ~ない」
「まさかとは思いますけど、昼間っから蕎麦屋で熱燗とか?」
「そんなこと・・とんでもゴザイマセン。わざわざ松本から四賀村まで足を運ぶなんて・・あははッ」
「そう云えば、前にも噺をしてましたねぇ。『ほそばら』とかナンとかって云う・・」
「そうなのよね。誰に教えたって、一度は必ず道に迷うって云う凄いお店」
「とにかくエライ遠い処に在って、まさか此処が蕎麦屋なの?って云うお店だとか」
「そうなんよ。お母さん独りでやってるから、事前に連絡しないと畑仕事に出ていっちゃう」
「と云うことは、昨日から予約してたン?」
「いえいえ。今朝起きたと同時にピッポッパッ」
「それはそれは。こんだけ仕事が溜まっていると云うのに・・」
「だってさ。仕方ないじゃん。うちの奥方がインフルエンザに罹っちゃってサ」
「それで?」
「おかげさまで熱は下がったんだけどね。病後には栄養をつけないといけないって・・」
「それで蕎麦ですかッ それで昼間っから熱燗ですかッ しかも片道一時間もかけて!」
「早く走れば45分で着くもんネ」
「ンなこたァ 訊いてません」
「今さァ 鮎の塩焼きを食べてるの。だから邪魔しないでくれる?」
「蕎麦はまだなんだ」
「そうね。おでん風の煮ものとらっきょう漬けと野沢菜漬を肴に二合呑んだのよね。追加でまた二合頼んじゃった」
「あのねぇ・・こっちは東京でホントに忙しい日々を送ってるの。判ってる?」
「勿論ですとも。毎日ホントにご苦労さん」
「うぐぐッ。てめェ・・いい加減にしないと締め殺すぞッ」
「きゃッ 怖いッ」
「こっちは毎日デスクに怒られてるの。それも全部アナタの所為」
「可哀想にね。同情しちゃうッ」
「頭に来たッ。・・・いつか必ず殺してやる! でも、その前に仕事してくれます? お願いだから・・」
「君も最初からそう云えば可愛いのにナ。だからさァ、帰ったらやります。絶対にやります。間違いないッ。ホントにホント」

*  *  *

予め申し上げておきますと、こちらのお店にはメニューがありません。
不定休ですので、事前にお母さんがお店を開けるかどうかを確認する必要があります。
会田宿の交差点から道案内はありますが、それでも途中で不安に陥ることでしょう。

駐車場に到着しても、それらしき看板はありません。
ふと崖の上を見上げると、ナンだか、もしかしたらアレじゃないか、と思われる一軒家が建っています。
おそるおそる崖を登る小経を辿ってゆくと、普通の民家の玄関先に出ます。
母家の奥の離れにそれらしき看板を発見したアナタは、実に運の良い人間だと自慢すべきでしょう(笑)。

何も言わずに出てくるのは季節の煮ものやお漬物各種に、信州名物自家製「おやき」。
夏には冷したトマトや胡瓜が無造作に運ばれます。
それだけでも十分に酒の肴になるんですが、今日は「鮎の塩焼き」二尾を追加して地酒「月光」を熱燗で二合。
奥方は初めてなので、周囲を見廻してキョトキョトするばかり。
煮ものは具沢山で、出汁の旨味も凝縮され、日本酒にぴったり。
「あつあつで美味しいッ」・・奥方は嬉しそう。
らっきょうと野沢菜漬も、お母さんが母屋から運んで出してくれました。
「やっぱり寒仕込みの漬物は違うのよね。甘味があって、しつこくないの」
焼きたての「おやき」は素朴で風味豊か。

鮎が焼き上がる前に、何故かはじめの二合は消えてしまい、追加でまた二合。
勿論、ボク一人で呑むんですけど・・(笑)。

でもって、程よく焼けた鮎を頬張っては酒を呑み、野沢菜とらっきょう漬で舌を洗っては酒を呑む。
「この時期に鮎なんて・・」
これはお母さんのとっておきの酒肴で、こちらに来たら是非頼みたい逸品です。
「それで?」
「美味しいッ・・ちょっと感動しちゃった」

それでも、蕎麦はまだ出て来ません(・・・奥方満腹&ボク酩酊)。

やがて運ばれてきた蕎麦は大ぶりの笊に盛られた田舎蕎麦。
これ一枚で三人前はあろうかと云う分量。奥方は絶句ッ。
これをワシワシと口に運んで、一気に食べます。
「もうダメッ・・苦しいッ」
まだ少し残っていると云うのに、「は~い。次のができましたよォ」
前と同じ分量の蕎麦が座卓にドン!

席についてから一時間ほどで、ようやく蕎麦が出てきました。
野趣溢れる田舎蕎麦は、信州のお母さんに代々受け継がれてきたハレの日の料理。
思う存分食べて欲しいと、お母さんが一生懸命打った蕎麦です。


*  *  *

因みに、こちらのお店ではお蕎麦のお代りは幾らでもできます(笑)。
前菜の煮物や漬物などを含めて、とにかく一人前が千円。
今日は二人でお邪魔して、別に鮎二尾とお酒四合。

それでお勘定は二人で四千円でした。
・・・ホントにいいんですか?・・いいんです・・だって(実に大雑把で大好きです!)。
帰り際にお母さんが奥方を母屋を案内てくれまして。
蕎麦屋を始めたのは今から十六年前だそうですが、江戸時代初頭から十五代続いているそうで。
アレやコレやの骨董珍品・花嫁衣装からウェディングドレスまで、混然一体&支離滅裂。
ご主人が気に入ったモノを集めていたらこうなったそうで・・・何処かの鑑定団でも呼んだら喜びそうな(笑)。

*  *  *

今から3年前に初めてこちらに伺った時は、本当に驚きました。
今日は隣りの席に作業服に身を包んだ屈強そうな壮年男子が二名。
彼らは仕事ですから蕎麦だけです。
その彼らが前菜と大笊二枚を食べ終わったら、お母さんがすかさず「もう一枚どう?」
「いやァ、もう食べられません。限界です」・・だって(笑)。
よってもって、大笊一枚の分量を御推察くださればと。

現在は市町村統合で松本市に併合されましたが、旧・四賀村会田宿は善光寺街道の宿場町。
中世には「会田小次郎」なる豪族がこの地を治め、その後裔が例の真田一族。
道の途中の「曹洞宗・広田寺」の紋は真田の「六文銭」。
背後に聳える虚空蔵山(コクゾウサン)の中腹には、当時の山城の遺構・石垣が残っています。
会田宿「殿村遺跡」は中世の石垣遺構としては全国でも珍しく、文化庁指定遺跡に認定されました。

松本市街からは遠いので、訪れるなら豊科IC経由で四賀村方面へ。
あとはボクの写真を参考に、まさかこんな処に?と思いながらクルマを走らせてください。

そして、一度で運良く辿りつけたら、「万歳ッ!」と大きな声で叫びましょう。
幾ら大声を出しても、誰もがきっと赦してくれるハズです(笑)。

  • 豊科ICから此処まで15分

  • 旧・四賀村を会田宿方面へ

  • 右手に虚空蔵山

  • 善光寺街道・会田宿

  • 会田宿交差点を北上

  • この看板を目印に

  • 曹洞宗・広田寺を通り過ぎて

  • 広田寺・石仏群

  • 右手に野球場を見て

  • その先を左折

  • 右に曲がったり

  • 左に折れたり

  • もうちょっとです(笑)

  • 駐車場に到着!

  • 崖の上がお店です

  • 崖を登る小経

  • 右手が母屋

  • 母家の奥に

  • 振り返れば会田の里

  • 庭先の雪

  • よくぞ此処まで

  • 来たもんだ

  • 玄関の上に

  • 一階奥の座卓から

  • 蓄音器

  • 階段を上がると「夢二」

  • 二階の座敷

  • 予約しておくと

  • 席を用意してくれます

  • メニュー? そんなのアリマセン(笑)

  • 無造作に置かれた一升瓶

  • いつのまにか二合徳利に注がれて

  • 最初におでん風の煮もの

  • 自家製らっきょう漬

  • 野沢菜漬も出て来ます

  • 自家製「野沢菜漬のおやき」

  • 鮎の塩焼き・その一

  • その二

  • 二本目の二合徳利(・・一人で四合? YES!)

  • ようやくお蕎麦の仕度が整いました

  • ゆうに三人前はあろうかという笊蕎麦

  • まだ最初のが残っているのに・・

  • 蕎麦湯を肴に熱燗

  • 蕎麦湯

  • 蕎麦湯だけで酒が呑めます(あははッ)

  • お母さんの案内で母屋へ

  • 母家・式台の上に

  • 旧・四賀村役場にあった大金庫

  • 式台を上がった左手に

  • こんなのや

  • こんなのとか

  • こんなのまで・・・好きですッ

  • 螺鈿細工の大壺

  • 見ていて飽きません

2012/02/09 更新

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