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北八ヶ岳にある美しい白駒池とニュウ(標高2352m)。
山岳写真家の西田省三氏が、モンベル「イグニスダウンパーカ」とともに
知られざる美しい日本の光景を求めて旅をします。

苔が織りなす緑のじゅうたん
神秘的な世界に癒される

八ヶ岳は首都圏や中京圏からのアクセスが良く、日帰りや1泊2日の日程でも自然の美しさを満喫できる人気の地だ。11月のこの時期、アルプスはすでに積雪で厳しいが、北八ヶ岳のニュウ(標高2352m)なら約3時間で上り下りできる。観光と登山の境い目のないところが、この山の大きな魅力だ。アルプス登山が少し辛く感じてきた年配の方にも、お勧めしたい場所である。

山は登るたびに、違う表情を見せてくれる。登るのがきつい山では何度も行けないが、この山は違う。私も山岳写真家として幾度となく訪れ、変化を続ける自然の表情を写真に収めてきた。初心者にも楽しめる山とはいえ、大自然のど真ん中に位置し、手つかずの自然がある。緑の美しさを十二分に楽しめるところが良い。

訪れた日にはすっかり紅葉も終わっていたが、静けさ、自然の雄大さは変わらない。いつ来ても美しい場所だ。
ドローンで上空から撮影した白駒池。周辺に10カ所の森があり、519種類もの苔が生息する。
日本蘚苔類学会が「日本の貴重な苔の森」に選定している。

朝8時、北陸新幹線の佐久平駅からレンタカーで北八ヶ岳へ向かった。白駒池駐車場に車を止め、登山道に入る。ニュウの山頂を目指すなら、白駒池の前を通るルートが最短だ。白駒池周辺で「苔の森」を眺め、湿原や針葉樹林を抜けて行った。シラビソやコメツガなど、八ヶ岳を代表する針葉樹林帯と、一面に広がる苔の世界が大きな魅力だ。美しい森のひんやりとした空気に包まれ、心身ともに癒やされる。大好きなルートだ。

濃い霧の中を、車で白駒池に近づく。神秘的な湖に到着する直前に霧が晴れ、青空が広がった。白駒池は八ヶ岳火山の溶岩流の窪地に水が溜まってできた池で、標高2100m以上としては国内最大の天然湖だ。標高2000mを超えているのに、この日の気温は約8度。カラマツも残っている。11月としては、あり得ない温かさだ。これも異常気象のなせる技か。

駐車場に車を止め、白駒池に沿って歩き出した。コメツガ、トウヒ、シラビソなど、樹齢数百年の木が密集する原生林が続く。白駒池の周囲には10カ所の森があり、「白駒の森」「高見の森」「もののけの森」「ヤマネの森」「ニュウの森」「オコジョの森」「カモシカの森」「黒曜の森」「丸山の森」「茶水の森」と名付けられている。519種類もの苔が生息しており、日本蘚苔類学会が「日本の貴重な苔の森」に選定した苔の楽園だ。国内で見られる苔の約4分の1が、ここにある。

中でも「もののけの森」は、まるで映画に出てきそうな神秘的な世界だ。波打つような異形の岩に沿って、緑のじゅうたんのように苔が密生している。

「もののけの森」。森の精霊に出会えそうな、神秘的な風景がどこまでも続く。

苔の色と表情は、その日の天候や時間帯によって刻々と変わっていく。この地でしか見られない深い緑の世界。一見の価値がある。

火山が生み出した波打つ岩に苔が繁茂し、まるで緑のじゅうたんだ。

緑のじゅうたんに見えた苔も、虫めがねで見れば、1本1本が独立して木のように伸びている。枝や葉のようなものも見える。苔の種類によって、枝分かれの様子や葉の形が異なる。岩の上に、ミクロの森が果てしなく続いていた。苔の世界を探訪するのは楽しい。

虫めがねで拡大したイワダレゴケ(左)とセイタカスギゴケ(右)。
ウグイスゴケ(左:正確には地衣類で、苔ではない)とフウリンゴケ(右)。

ダウンの保温力を最大限に発揮する
「イグニスダウンパーカ」

標高2000mを超える山の中では、体温の維持が最優先の課題となる。今回、その役目をしっかりと果たしてくれたのが、モンベルの「イグニスダウンパーカ」だ。高い防風性と優れた防水透湿性を備えた「ウィンドストッパー®ファブリクス」で、世界最高品質の1000フィルパワー・EXダウンを包んでいる。これほど理想的なパーカはないと、私は思う。

ダウンは軽量でありながら、優れた保温性能を持つ。北八ヶ岳のような天気の変わりやすい環境でも、快適に体温を維持してくれる。ダウンジャケットの保温性は、ダウンのフィルパワー(羽毛の膨らみ具合)と綿量で決まる。高いフィルパワーのダウンは、薄く見えても大量の空気を含むことができ、軽くて保温性能が高い。表地に使用している「ウィンドストッパー®ファブリクス」は外からの冷気の侵入を防ぎ、優れた透湿性により、ウェア内の蒸れを逃すため、快適に活動出来る。

軽量でありながら、保温性能が高い。風にも強くダウンの保温性を最大限活かしている。

側面が細めでシュッとしていて、シルエットが良い。着心地も良くてかさばらず、動きやすい。この時期、歩いている時はむしろ暑いくらいだが、撮影時はその場にとどまるため急に寒くなる。寒暖差に合わせ、手軽に脱ぎ着できるのも便利だ。三脚を使った撮影やドローン撮影の時は、ずっと立ったままで動かないことが多い。そんな時でも、このパーカを着ていれば安心だ。集中力を邪魔しない。

ファッション性が高いと思うが、ファッションブランドとは違う。登山者の安全と快適性をしっかりと守ってくれる本格的な機能を備えている。私はモンベルのパーカを長く愛用している。

軽量かつ保温性が高い機能性は、登山者の安全と快適性を支えてくれる。これがあれば安心だ。

山頂に開けた絶景
遠く富士山を望める貴重な山

登山道のすぐ脇から苔が一面に広がる。ここでしか見られない不思議な光景が続き、歩く者を飽きさせない。途中、気になるポイントを発見すると、すぐに三脚を立てて撮影した。やはりこの森の神秘的なたたずまいと深い緑の美しさは、何度来ても飽きることがない。登山道は整備されていて歩きやすいが、霧や雨の日などは、木道が滑りやすくなるので注意しよう。

登山道は比較的よく整備されている。木道の脇に、苔が織りなす緑のじゅうたんが広がる。

登山道を進むと、白駒湿原に出た。小さな湿原だが、森が途切れて明るくなり、ぽっかりと開けた空間が登山者の気分を和ませてくれる。ニュウ登山の始まりだ。

森が急に切れ、白駒湿原が出てきた。開けた視界が清々しい。

1時間ほどで、山頂に達した。山頂の直前まで続いていた樹林帯が途絶え、岩の地肌がむき出しになる。ニュウの山頂は開けていて、岩峰になっている。

山頂は、森のない岩峰になっている。ニュウの山頂でドローンを飛ばし、山並みを思いのままに撮影した。

山頂からは、天狗岳や硫黄岳が見える。先ほど通った白駒池が、森の中に口を開けた巨大な水瓶のように見えた。手つかずの自然が残る、日本でも屈指のエリアだ。

ニュウの山頂から見た白駒池。清らかな水を、満々とたたえている。

コンディションが良ければ、遠く富士山を望むこともできる。ニュウは北八ヶ岳の中でも貴重な山だ。

ニュウの山頂から見た富士山。くっきりと映えるブルーのシルエットが美しい(別日に筆者が撮影)。

今回の探訪でも、北八ヶ岳の自然は私の期待を裏切らなかった。美しい湖、心身を癒してくれる深い森、異界を感じさせる不思議な岩。苔が見せてくれるグリーンの世界は、いつ見てもみずみずしく、大自然の奥深さを伝えてくれる。何度来ても、こんなに楽しい場所はないと思ってしまうのだ。

Movie

モンベル
イグニスダウン パーカ Men’s

山岳写真家の西田省三氏が愛用中の、イグニスダウンパーカは高い防風性と優れた防水透湿性を備えた「ウィンドストッパー®ファブリクス」で、世界最高品質のダウンを包み込んだハイエンドモデル。湿度の高い環境でも常にダウンをドライに保ち、1000フィルパワー本来のロフトを損なうことなく暖かさをキープするため、寒冷地でのアウトドア活動に最適だ。

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西田 省三
(にしだ しょうぞう)

日本の山々を題材にした、卓越した作品で知られる山岳写真家。自然の美しさと力強さを鮮明に捉え、四季折々の風景の魅力を伝える。独自の視点と技術で切り取られた風景は、多くの人々に感動を与え、自然の尊さを再認識させる力を持つ。登山と自然愛好家にとってはインスピレーションの源であり、彼の作品を通じて自然環境の保護の重要性を広める活動に力を入れる企業や団体も多い。類いまれな情熱と技術で、山岳信仰や自然の素晴らしさを表現する一方、観る者に深い感動を与え、自然との共生を促すメッセージを伝え続けている。

西田 省三公式サイト

モンベル 佐久穂店

東信エリア初出店の直営店モンベル佐久穂店では、約260坪の店内にはクライミングピナクルが設置され、同店限定デザインのオリジナルTシャツを販売しています。八ヶ岳や奥秩父(佐久穂、小海、南相木、川上)などへのアクセスが抜群で、アウトドアアクティビティの拠点として便利な場所にあります。

  • 住所

    〒384-0701 長野県南佐久郡佐久穂町大字畑1190-1 道の駅 八千穂高原 内

  • TEL

    0267-78-3147

  • 営業時間

    10:00~19:00

  • 定休日

    年中無休

  • 駐車場

    あり 無料

モンベル 佐久穂店 WEBサイト
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