群馬県出身にして、北関東と言われると、どこかダサイタマ、チバラキのような劣等感を覚える「みんなのごはん」編集部のRです。
北関東、それが南に較べて地味に語られる存在であることは、かの地に住んでいた人間も重々承知しております。みなさんが「上毛カルタ」や「レモン牛乳」なんてもののことを一切知らないことは十分に心得ております。だがしかし、和菓子については声を大にして一言言わせていただきたいのです。
北関東のお土産和菓子については美味しいものが沢山あるのを御存知ですか。みなさんは、きぬの清流を、揚げゆばまんじゅうを、旅がらすを食べたことがありますか。北関東だって、こんにゃくいもや、かんぴょうや、いちご以外だって誇れる部分はあるのです。
そこで、今回は甘い物に目がない甘党女子の方々に集まってもらって、北関東のお土産和菓子を試食していただきました。食べていただいたのは全5品。地元の人であれば、これこれと頷くこと間違いなし。
北関東の誇りをかけた和菓子食べ較べを行います。
下野銘菓 みかも山(栃木・御菓子処 雅洞)
沖縄産の黒糖と、厳選された蜂蜜を使用しふわふわに焼き上げた生地は、目を引く虎柄模様。そこに熊本産の栗と北海道十勝産の小豆餡を挟んだどら焼きが、栃木県宇都宮市にある、御菓子処雅洞の「みかも山」です。こだわりの国産素材から生まれるまろやかな香りと、余分なものを一切入れていないその上品な甘さが特徴です。
A「虎柄のどら焼きって、普通のどら焼きより高級感が感じられて、好き。北海道産小豆と国産栗100%っていうのはすごい! 素材に頑張っているのが分かる。食べた感じは、甘さ控えめ、上品系です!」
B「これ、美味しい!でも栗がもう少し大きかったらなお良かったかな? つぶあんの方が栗より主張しているので」
C「つぶつぶ感はたしかにアクセントになってますね。生地はふわふわで黒糖のコク深い甘味。紅茶と一緒に食べたい……」
A「黒糖はパンチがあるので好みが分かれるかもですね。沖縄好きなんで、私は好きですよ。もし、まるごと1個栗が入っているバージョンもあれば、ぜひ食べてみたいですね」
B「女優で言うと、沖縄出身で、しかも芯があって、栗を彷彿とさせるしっとりとした魅力もあるということで、仲間由紀恵さんみたいな感じかな」
旅がらす(群馬・清月堂)
群馬県を代表するお菓子である「旅がらす」は、19世紀後半に考案された、安中市の磯部温泉の鉱泉水を使った「鉱泉せんべい」をルーツとしています。高度成長期の洋菓子ブームの頃、生クリームを鉱泉せんべいに塗ったことで、旅がらすが生まれました。軽い歯ごたえとクリームの素朴な味で、子供からお年寄りまで親しまれています。
C「パッケージデザインも味も懐かしい感覚! ほんのりとした甘味とサクサクした食感が心地よいです」
B「食感良いですね! 一口食べると止まらなくなります。和菓子、っていうよりお茶菓子、って感じで子供も好きそう」
A「神戸のゴーフルを和風にしたイメージですね。うん、クリームが軽いので、せんべいの優しい味が楽しめます。どんなお茶でもコーヒーでも合いそう。日本中どこにでもこの手のお菓子はあるので、“日本人が求めている味”ってことなんでしょうね」
B「やっぱり旅がらすは、このあっさりとした食感と主張し過ぎない感じが魅力なので、女優で言うと、堀北真希さんあたりを連想しちゃいます」
生どら焼き(群馬・小荒井製菓)
どら焼きの中にあんこではなく、生クリームが入っているのが「生どら焼き」。群馬県の最北部で作られる生どら焼きは、約20年間日本中から愛され続けています。北海道の特産小豆、国産卵、谷川連峰の湧き水を使用し、素材にこだわり抜いた生地に、生クリームと合わせる風味とを絶妙に調合した人気の各種餡が挟まれています(※賞味期限が短いため、風味がほとんど損なわれないことを確認し、「小倉生どら焼き」と「抹茶玉露」の2種類を冷凍で送ってもらいました)。
B「生地の弾力がすごい!」
C「どら焼きの印象が変わる味……美味しい!」
A「これはどら焼き好き女子より、パンケーキ好き女子に刺さるスイーツかも!」
B・C「そうそう!まさにパンケーキ」
C「あんことクリームの配合のバランスが絶妙だと思います。甘さ控えめで軽い感じ。いくらでもいけそう」
A「生地とクリームの相性抜群! 生地の美味しさが際立ちます」
B「抹茶クリームやみつきになりそう。冷凍から解凍すると、冷たさが良いですね」
A「抹茶自体は風味付け程度だから、子供でも食べられますね。これはギフトにもらったら嬉しいかも。冷凍庫に常備しておきたい……」
B「この王道感、生ゆえの魅力、そして適度な甘さなど、本田翼さんみたいなイメージでしょうか……」
揚げゆばまんじゅう(栃木・日光さかえや)
日光名物のゆばと厳選の豆乳を練りこんだ「日光ゆばまんじゅう」に独自の衣をつけて揚げたのがこの「揚げゆばまんじゅう」。サクサクに揚げられた皮と、ゆばが練り込まれてもっちりとした饅頭の2つの小気味良い食感に、種のこしあんの甘さが絶妙にマッチします。外側の皮にわずかに振られた塩が、ポイントとなっています。
一同「天ぷら? 見た目のインパクトがすごい!」
A「箱に油が染み出しちゃってます……出来たて詰めました!ってことですね」
B「美味しい! ちょっと塩が振ってある? スイカの原理?」
C「こしあんが上品~。白ワインと合いそう……。ちょっと温めて、バニラアイスと合わせても良いくらい」
A「電子レンジで20秒チンしてみましたよ……。うわっ、あつあつ、サクサク! 塩がきいてますね、もうちょっと押さえても良いかも。日光をぶらぶらしながら、現地で揚げたてを食べてみたいですね!」
B「だんだんこの譬えがいるのか、不安になってきましたが、スイーツでありながら、まんじゅう全体にかけられた塩がポイントになっているのと、あと、このボリュームを考えると、『私、失敗しないので』でお馴染みの米倉涼子さんを思い浮かべてしまいました」
きぬの清流 小豆/とちおとめ(栃木・虎彦製菓)
半世紀以上の歴史を持つ、日光国立公園銘菓「きぬの清流」。小麦粉、卵、砂糖で作った和風クッキーの生地で、上質の小豆を使ったつぶし餡を挟んでいます。油脂や保存料、合成着色料を一切使用していない、人にやさしいお菓子です。オリジナルの小豆に加え、栃木県名産のいちごを白餡に加えた「きぬの清流とちおとめ」も人気です。
A「とちおとめからいってみましょう……。(開封して)これは……濡れせんべいみたいなルックスですか」
B「まさか! でも苺はどこに……。あ、美味しい!」
A「甘酸っぱくて美味しい!白餡を使っているんですね。とちおとめピューレと混ざって、濃厚な蜜みたいな印象です。私、ふだんはあんこと苺のコラボは認めてないんですが、これはありです!」
C「後味も酸味があって爽やか。もう一口!って気分になりますね。白餡の舌触りがなめらかで、気品を感じます」
B「お菓子としての完成度が高いですね!」
C「小豆、いってみましょうか?……とちおとめ味と一緒ですけど、この和風クッキー、卵と蜂蜜のカステラみたいな風味で、誰からも好かれる味ですよね。つぶあんがしっかりとしてて、食べ応えがあります。熱い緑茶といただきたいですね」
A「安心の味ですね。なんとなく子供の頃に食べた卵ボーロを思い出す懐かしい味わい……。蜂蜜を使っているせいか、優しい味です。栃木が地元の方に聞いたところ、この『きぬの清流 小豆』が“ザ・地元の銘菓”なんですって。お土産にもらったら嬉しいですね!」
B「だから、きぬの清流も非常に王道の和菓子で、だけどとちおとめのようなフレッシュな味もあるというので、新垣結衣さんのような印象を持ちました。5名の女優の方、勝手にお名前を出して、すみません。わたしの勝手な主観で申し上げております」
おわりに
北関東の誇りをかけたお土産和菓子食べ比べ、いかがでしたでしょうか。おそらくは地元の人であれば、「そうそう!」と頷いた人もいれば、「いやいや、これを入れなきゃ!」と首を振って読んでいただいた方もいるのではと思います。でも、結論としては今回食べた5つの和菓子、そのどれもがおいしかった、という感想をいただきました。普段は辛口の甘党女子3人も珍しく北関東和菓子を食べられる機会を喜んでいました。
ちなみに、今回の5つの和菓子はいずれも通信販売でお取り寄せが可能です。気になる和菓子(気になる女優さん)がいらっしゃたら、ぜひその味を取り寄せてみてください。
紹介したお菓子はこちら。
・きぬの清流 小豆
・きぬの清流 とちおとめ
http://www.torahiko.co.jp/products/index.html
・下野銘菓 みかも山
http://www.torahiko.co.jp/products/index.html
・群馬の銘菓 旅がらす
http://www.seigetsudo.co.jp/goods1.html
・日光さかえや 揚げゆばまんじゅう
http://nikkosakaeya.co.jp/shop/?page=category&cate=69
・みなかみ小荒井製菓 生どらやき
http://koaraiaizushikon.jp/