何歳になっても、人生を楽しむにはどうすればいいか。医師の和田秀樹さんは「人は死ぬまでピークを迎える可能性を秘めている。退屈な余生を当てもなく過ごすか、人生のピークを先に持っていけるか。すべては自分の考え方で決まる」という――。

※本稿は、和田秀樹『75歳からやめて幸せになること 一気に老ける人、日ごとに若々しくなる人の差』(大和書房)の一部を再編集したものです。

窓辺の籐の椅子に座っている日本の年配の女性
写真=iStock.com/Hanafujikan
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75歳からの目標が人生を輝かせる

「75歳になったら、もう人生にはいいことなんてない」

「この先は、ゆっくり下り坂を歩いていくだけだ」

そんなふうに考えていませんか。でも、人は死ぬまでピークを迎える可能性を秘めています。

人生100年時代を幸せにまっとうするためには、「人生のピークをできるだけ先に設定する」という発想が重要となります。

何を「ピーク」に設定するかは人それぞれです。確実にいえるのは、目標を設定し、それを実現したとき、人は人生のピークを迎えているということです。

漠然と生きていると、人生の目標は達成できません。大切なのは、自分が残りの人生で何を為し遂げたいかを考えることです。

目標は「90歳まで現役で仕事を続ける」「作家デビューする」「世界一周旅行をする」などなんでもかまいません。

また、目標は一つとは限りません。私は映画監督としても、物書きとしても、精神科医としても、家庭人、社会人としてもずっと続けていきたいという目標を持って生きています。

自分で目標を設定し、目標に向けて楽しく努力しているとき、人は生き生きと輝けます。「今さら目標なんて」「ダメに決まっている」などと考えずに、トライしてみましょう。元気な75歳には、まだまだ時間が残されています。

目標は壮大なものでなくても大丈夫です。「毎日読書を続ける」「自分の足で散歩を続ける」など、ささいなことであっても、目標を立てて実現させる行為を繰り返していれば、人生のピークはどんどん後ろにずれていきます。自分の人生を常に上書きし、ベスト記録を更新していくようなイメージでしょうか。

退屈な余生を当てもなく過ごすか、人生のピークを先に持っていけるか。すべては自分の考え方で決まります。

ぜひ、ピークを目指す楽しい人生を送ってください。