批評家で哲学者の東浩紀さんが新著『ゲンロン戦記』(中公新書ラクレ)を出した。自身の経営する会社「ゲンロン」の10年を振り返る異色の本だ。なぜ東さんは大学教授という職をなげうち、会社経営を続けてきたのか。プロインタビュアーの吉田豪さんが聞いた——。(前編/全2回)
東浩紀さん
撮影=西田香織
批評家で哲学者の東浩紀さん

「これでいいんですか?」って何回も何回も何回も何回も言った

【東】吉田さんの取材は緊張しますね。

——雑談するだけなので大丈夫ですよ! とりあえず今回の本は、ライバルが『鬼滅の刃』ってぐらいに売れてるらしいじゃないですか。