IFSと日本電気(NEC)は、戦略的パートナーシップを強化すると5月30日に共同発表。両社の強みを結集し、日本とグローバル市場でのソリューション導入の加速や、リソースとスキルの相互補完を通じて顧客の成長を支援していく。

  • 左:NEC 取締役 代表執行役社長 兼 CEOの森田隆之氏、左:IFS 最高経営責任者(CEO)のマーク・モファット氏

    (左から)NECの森田隆之社長兼CEO、IFSのマーク・モファットCEO

両社は1997年から協業を続けており、これまでサプライチェーンマネジメントを中心に、スウェーデンの産業用AIソフトウェア企業であるIFSの製品群を活用したシステム導入を展開してきた。今回の提携強化により、国内データセンターにおける「IFS Cloud」の提供環境の共同構築や、NECのAI技術「BluStellar」の組み込みによる新サービスを開発。これにより、セキュアかつ信頼性の高いクラウドサービスを迅速に提供できる体制を整えるとしている。

今後は従来のサプライチェーンマネジメントに加え、設備保全やアフターサービスといった幅広いソリューションを、製造業だけでなく航空産業など他業種にも展開。DX支援を一層強化する。また、両社の技術を組み合わせた新たなソリューションを通じて、柔軟かつ安全なクラウドサービスの提供をめざす。

具体的な取り組みとして、国内におけるIFS Cloud提供環境の共同構築を進めており、候補地の一つとしてNEC印西データセンターも検討する。また、日本市場のニーズに即した次世代サービスの共同開発にも取り組む。NECの知見をIFS Cloudの標準機能として組み込むほか、「IFS Applications」からのセキュアな移行手法の開発も検討。新規・既存の顧客に向けて、高付加価値なDXソリューションを提供していくという。

さらに、両社の先端AI技術を連携させた新サービスの開発も進める。NECのBluStellarが持つ自動化AI機能をIFS製品に統合し、IFSはグローバル顧客に提供。一方NECは、IFSのAIプラットフォーム「IFS.ai」を活用し、日本やアジア地域でのAI活用推進に取り組む。

このほか、デリバリー体制の強化を目的とした人材育成にも注力。高度なスキルを持つ人材の育成と適切な配置を通じて、迅速かつ高品質なサービスの提供を図る。こうした一連の取り組みを通じて、両社は日本とグローバルの製造業およびその他産業分野に対して、DXの実現と持続的なビジネス成長への寄与をめざす。