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「私は一度、消えているので…」“史上最高レベル”陸上女子ハードル界に現れた超新星は29歳? 元“消えた天才ハードラー”中島ひとみの波乱万丈
posted2025/05/30 06:00
ゴールデングランプリの女子100mハードルで日本歴代3位の好記録をマークした中島ひとみ(長谷川体育施設)。29歳の遅咲きハードラーの軌跡とは?
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加藤秀彬(朝日新聞)Hideaki Kato
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AFLO
多くの選手が好記録を連発し、史上空前のハイレベルに沸く陸上女子100mハードル。そんな種目にまた、ニューヒロインが登場した。だが、今年で実に30歳を迎える新星は、なぜ長らく雌伏の時を過ごしていたのだろうか?《NumberWebレポート全2回の1回目/つづきを読む》
近年、ハイレベルな争いが続く日本の陸上女子100mハードルに、今年30歳を迎える”新星“が現れた。
5月18日にあったセイコー・ゴールデングランプリ(GGP)で、中島ひとみ(長谷川体育施設)が12秒85で4位に入った。
これまでの自己記録を一気に0秒08更新し、日本歴代3位に躍り出た。
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レース後、驚きと喜びがまざりあうような笑顔で言った。
「本当にびっくりです。どこがよかったのか自分でも気になるので、早く振り返りたい」
9月の東京世界陸上の出場も「射程圏内」に
GGPは世界陸連のワールドランキングでは「Aカテゴリー」に位置づけられ、海外選手も出場する。選ばれたトップ選手だけが走るこの大会に初出場し、その独特の雰囲気に背中を押されたという。
「私が大切にしているワクワクする気持ちを持てました。緊張の中にも楽しさがあったことが、良い結果につながったと思います」
GGPの成績を反映した5月26日現在のワールドランキングでは、28位。40枠ある今年の世界選手権東京大会の出場圏内につけている。
これほどまでの成果を出すまでには、約10年の苦労があった。