【ミュラー・リヤー錯視の3次元解釈】
グレゴリー(金子隆芳訳)、「インテリジェント・アイ 見ることの科学」,みすず書房、1972.
【ポッゲンドルフ錯視の3次元解釈】
H. Ono, N. J. Wade and L. Lillakas, The pursuit of Leonardo's constraint. Perception vol. 31 (2002), pp. 83-102.
【カフェウォール錯視の3次元解釈】
丸谷和史、大谷智子、カフェウォール錯視の三次元解釈と錯視パターンのバリエーション.図学研究、第54巻1号 (2020), pp. 13-26.
このボケによる説明は、へリング錯視、ツェルナー錯視、ポンゾ錯視など多くの錯視に対しても統一的に適用できる。詳しくは、このことを論じた私の論文原稿
K. Sugihara: Skeleton dislocation model for geometric optical illusions. (Submitted to the International Symposium on Voronoi Diagrams and Applications 2014)
を参照されたい。(この論文は、2014年に開催予定であった国際会議に投稿したものであるが、事情によってその国際会議自体が延期となり、いまだに開かれていない。そのため、この原稿も未発表のまま今に至っている。)
図形をぼかすことが錯視を引き起こすという議論はほかにもたくさんある。たとえば、次の論文では図形をぼかした後の領域の境界線(明るさの変化が増加から減少へ転じる点を集めたもの;言い換えると明るさの2回微分が0になる点を集めたもの;ゼロクロッシングと呼ばれる)のずれに着目して議論している。これによれば、カフェウォール錯視も説明できる。
C. Fermuller and H. Malm, Uncertainty in visual processes predicts geometrical optical illusions. Vision Research, vol. 44 (2004), pp. 727-749.