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「おまえの体、俺の選択」、女性ヘイトが選挙後のネットで爆発的増加

  • トランプ氏の当選で、女性嫌悪のインフルエンサーらが奮起
  • ヘイトが現実の学校に拡大している兆候、「4B」運動の呼び掛けも

米大統領選挙が終わり、女性へのハラスメントやヘイトがオンラインにあふれ出した。過激思想と闘う非営利団体、戦略的対話研究所(ISD)によると「おまえの体、俺の選択」や「キッチンに戻れ」といったフレーズがX(旧ツイッター)やTikTok(ティックトック)といったプラットフォームで爆発的に増えた。

  トランプ前大統領がハリス副大統領を破って当選したことを受けて、「マノスフィア」と呼ばれる女性嫌悪の各種プラットフォームが入り交じったオンラインコミュニティーでは、インフルエンサーらが勇み立っている。リプロダクティブライツ(性と生殖に関する権利)とジェンダーの平等が、トランプ氏の勝利によって打ち消されたと受け止めているという。

  マノスフィアのコンテンツ制作者らは「女性の権利に対しもっと露骨で攻撃的な表現を用いる許可が出たと、選挙結果を受け止めているようだ」とISDは指摘した。

  トランプ氏とハリス氏の間で展開した大統領選挙はジェンダーが重要な争点となり、性の対決と表現されることも多かった。ハリス陣営は女性票を固めようと妊娠人工中絶の権利を重視。一方のトランプ陣営は男性票に焦点を絞り、資産家イーロン・マスク氏の知名度や、若い男性に人気ポッドキャストを利用し、下ネタトークでも注目を集めた。

  「おまえの体、俺の選択」のフレーズは白人至上主義のポッドキャスト配信者ニック・フエンテス氏が広めた。こうしたフレーズは6日に4600%という爆発的なペースで増加したと、ISDは指摘。憲法修正19条の撤廃を求める投稿は、前の週に比べて663%増加したという。修正19条は約1世紀前に成立し、女性の投票権を認めた。フエンテス氏のX投稿は5日以降これまでに5800万人余りが閲覧した。

  こうしたハラスメントがオンラインの中にとどまらず、学校など現実の世界に広がっている兆候もある。「おまえの体、俺の選択」が直接女子生徒に向けられる、あるいはクラス内で男子生徒らが一斉コールする事例が若い女性や保護者の間で共有されている。

  フエンテス氏らのフレーズは、1960年代のフェミニスト運動にさかのぼる「私の体、私の選択」を改悪したものだ。このフレーズを拡散させた1973年の「ロー対ウェイド判決」は、中絶を憲法上の権利と認めるものだったが、その権利は2022年に米連邦最高裁によって覆された。

  マノスフィアに抵抗する動きも見られる。米国の女性らに「4B」運動を呼び掛ける投稿もある。韓国のフェミニスト運動にルーツをも持つこの運動は、男性とのセックスとデート、出産、結婚を拒絶するもの。あるXユーザーによるとビューアー数は2000万人を超えた。

  ISDは10月1日から11月6日にかけてXや各種フォーラム、ブログ、レディット、ユーチューブを調査。ハラスメントが新たに急増したことについて「2020年、22年の選挙後と今回の選挙前にみられた女性嫌悪のトレンドが単に続いているだけではない」と述べた。

原題:‘Your Body, My Choice’: Abuse Toward Women Surges Online (1)(抜粋)

 

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