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ソニー「Xperia 1 VI」レビュー:変化球な進化の中でカメラ性能はどう変わった? 高級一眼「α7R IV」との比較も

林佑樹[ライター・フォトグラファー]

林佑樹[ライター・フォトグラファー]編集:小林優多郎

Jul 17, 2024, 11:05 AM

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Xperia 1 VIの背面
さまざまな話題を呼んだソニーの新型スマホ「Xperia 1 VI」のカメラ性能に迫る。
撮影:林佑樹
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2024年のソニー製スマホのフラグシップ「Xperia 1 VI」が6月から発売されている。

ディスプレイ解像度のダウングレードやカメラアプリの一本化など、Xperia 1 VIはこれまでのXperia 1シリーズとは少し異なる進化をしており発表時に話題になっていた

とはいえ、そんな変化の中でカメラとしての性能はどうなっているのか、本稿では各種作例やミラーレス一眼カメラ用交換レンズと比較しつつ、その実力をチェックしていく。

カメラとしては隙がない構成に

Xperia 1 VIは複数のカメラを備える。超広角の16mm(12MP)、広角24mm(48MP、クロップしての48mmもある)、望遠は光学ズーム85mm~170mm(12MP)の3つだ。

前機種「Xperia 1 V」と比べてカメラ構成の変化はいくつかあるが、カメラのスペックだけを見れば隙がなくバランスのいい構成になっている。

Xperia 1 Vにあった「広角カメラの性能が抜きんでており、そのほかのカメラは良好ではない」という問題はある程度解決されている。

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ただし、広角カメラ以外の画質の向上は「スマホの小さい画面サイズで見る分には」という評価であって、PCのディスプレイなどで見ると露骨に描写性能差がわかる点に変わりはない。

Xperia 1 VIの背面加工
側面や背面の加工の触感が気持ちよく、ケースをつけずにそのまま使いたくなる。
撮影:林佑樹

望遠レンズが85mm~125mm(Xperia 1 V)から85mm~170mm(Xperia 1 VI)になったことで撮影の自由度が増えている。

個人的にはXperiaのレビューの都度触れている「妙に青っぽい緑」との遭遇率が大きく低下しており高く評価している。

また、カメラ性能と直接関係はないが、バッテリーライフは長くなった。

ディスプレイ解像度が4Kではなく2340×1080pxになったことが功を奏したのだろう。

丸1日撮影に酷使してもバッテリー残量50%以上あり、普段使いで重要な体験が強化されており、スマホとしてみると正常進化というワードがしっくりくる。

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Xperia 1 VIの実力を作例でチェック

では、サンプルを見ていこう。今回は主に千葉・佐原で撮影した。

Xperiaのトレードマークでもある物理シャッターボタンの押下感もよく、コンパクトデジタルカメラ感覚で撮影できた印象が強い。

露出はミラーレス一眼などに比べて0.3~0.5EVほど高めにくるが、とりあえず明るいほうがコンシューマにウケがいいので、そうした絵作りの方向性は正解だ。

この点は他のスマホも同様の路線だが、Xperia 1 VIはシャドウが粘り強いため、途中からアンダー(暗めに設定すること)にしたまま撮影することが多かった。

スライドショー
一覧

広角レンズで撮影

広角 作例
広角カメラはイメージャーの性能がやはりよく、とりあえず何を撮っても気持ちがいい写真が出てくる。
撮影:林佑樹
広角 作例2
発色傾向は「αシリーズ」に寄せている印象で、スマホっぽくない「ほどよい重さ」がある。また広角カメラはイメージャーのサイズもあり、ある程度被写体に寄ると光学的なボケも生じる。
撮影:林佑樹

超広角レンズで撮影

超広角 作例
超広角。広角カメラに近い画質になるため、なんだかんだで観光地では便利。
撮影:林佑樹

望遠レンズで撮影

望遠85mm 作例
望遠85mm。ほどよい望遠圧縮で出番が多い。描写も広角に近い。
撮影:林佑樹
望遠170mm 作例
望遠170mmは、少し色彩が落ち着いた描写になることが目立った。条件もあるが、160mmくらいに調整したほうが良好な結果が多いだろう。
撮影:林佑樹


画角を比較

画角比較
上段左から超広角16mm、広角24mm、広角48mm(デジタルズーム)。下段左から望遠85mm、望遠170mm、520mm相当(デジタルズーム)。ボリュームボタンで超広角からズームしていくと、デジタルズームを挟みつつカメラが切り替わる。最大520mm相当では超解像の効きもあり要素の確認に十分耐える。なお、ズームとカメラの切り替えはあまりスムーズではない。
撮影:林佑樹


テレマクロ撮影

テレマクロ 作例
テレマクロは光学ズームを利用して大きく接写できるというもの。フォーカスは手動になるが、観察用としてかなりいい。
撮影:林佑樹

電柱の作例

電柱 作例
筆者がよく撮る電柱ショット。画角としては170mmの出番になるのだがやはり線が弱い印象になる。
撮影:林佑樹

広角レンズで撮影

24mm 作例
24mmで撮った場合。ズーム側もこれくらいシャドウが上手く出てくれるといいのだが。
撮影:林佑樹

夜景を撮影

夜景作例 1
夜景。シーン判別によって夜景モードに切り替わる。過度な誇張はなく、αシリーズでよく見る感じになりやすい。また、フレアやゴーストは24mm以外で遭遇しやすかった。
撮影:林佑樹
夜景作例 2
こちらも夜景。85mmではXperia 1 VIのディスプレイ上ではよく撮れているように見えたが、PCモニターで見るとかなり厳しい結果だった。
撮影:林佑樹

ボケの作例

ボケの作例
ソフトウェア的なボケは視差とAIベースの処理と思われ、違和感は生じにくい。
撮影:林佑樹

食事の作例

食事の作例
ご飯関連はある程度の明るさがあれば、美味しそうに記録できる。ただ、やや薄暗い場所では微妙な絵になりやすかった。
撮影:林佑樹

クリエイティブルックの作例

クリエイティブルックの作例
αではお馴染みのテーマごとに色調を変えられる「クリエイティブルック」機能もXperia 1 VIにはあるのだが、αシリーズに比べると効きが弱い印象。
撮影:林佑樹

やはり広角レンズを使うことが多かった

広角の作例
途中からどのレンズかを意識せず、直感重視に撮影していたが、ログを見ると24mmで撮影していることが圧倒的に多かった。
撮影:林佑樹

広角レンズで撮影

広角 作例
広角カメラはイメージャーの性能がやはりよく、とりあえず何を撮っても気持ちがいい写真が出てくる。
撮影:林佑樹
広角 作例2
発色傾向は「αシリーズ」に寄せている印象で、スマホっぽくない「ほどよい重さ」がある。また広角カメラはイメージャーのサイズもあり、ある程度被写体に寄ると光学的なボケも生じる。
撮影:林佑樹

超広角レンズで撮影

超広角 作例
超広角。広角カメラに近い画質になるため、なんだかんだで観光地では便利。
撮影:林佑樹

望遠レンズで撮影

望遠85mm 作例
望遠85mm。ほどよい望遠圧縮で出番が多い。描写も広角に近い。
撮影:林佑樹
望遠170mm 作例
望遠170mmは、少し色彩が落ち着いた描写になることが目立った。条件もあるが、160mmくらいに調整したほうが良好な結果が多いだろう。
撮影:林佑樹


画角を比較

画角比較
上段左から超広角16mm、広角24mm、広角48mm(デジタルズーム)。下段左から望遠85mm、望遠170mm、520mm相当(デジタルズーム)。ボリュームボタンで超広角からズームしていくと、デジタルズームを挟みつつカメラが切り替わる。最大520mm相当では超解像の効きもあり要素の確認に十分耐える。なお、ズームとカメラの切り替えはあまりスムーズではない。
撮影:林佑樹


テレマクロ撮影

テレマクロ 作例
テレマクロは光学ズームを利用して大きく接写できるというもの。フォーカスは手動になるが、観察用としてかなりいい。
撮影:林佑樹

電柱の作例

電柱 作例
筆者がよく撮る電柱ショット。画角としては170mmの出番になるのだがやはり線が弱い印象になる。
撮影:林佑樹

広角レンズで撮影

24mm 作例
24mmで撮った場合。ズーム側もこれくらいシャドウが上手く出てくれるといいのだが。
撮影:林佑樹

夜景を撮影

夜景作例 1
夜景。シーン判別によって夜景モードに切り替わる。過度な誇張はなく、αシリーズでよく見る感じになりやすい。また、フレアやゴーストは24mm以外で遭遇しやすかった。
撮影:林佑樹
夜景作例 2
こちらも夜景。85mmではXperia 1 VIのディスプレイ上ではよく撮れているように見えたが、PCモニターで見るとかなり厳しい結果だった。
撮影:林佑樹

ボケの作例

ボケの作例
ソフトウェア的なボケは視差とAIベースの処理と思われ、違和感は生じにくい。
撮影:林佑樹

食事の作例

食事の作例
ご飯関連はある程度の明るさがあれば、美味しそうに記録できる。ただ、やや薄暗い場所では微妙な絵になりやすかった。
撮影:林佑樹

クリエイティブルックの作例

クリエイティブルックの作例
αではお馴染みのテーマごとに色調を変えられる「クリエイティブルック」機能もXperia 1 VIにはあるのだが、αシリーズに比べると効きが弱い印象。
撮影:林佑樹

やはり広角レンズを使うことが多かった

広角の作例
途中からどのレンズかを意識せず、直感重視に撮影していたが、ログを見ると24mmで撮影していることが圧倒的に多かった。
撮影:林佑樹
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