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「ChatGPTが浸透しない」企業の悩みに楽天モバイルが出した答え。社内用AIをサービス化して提供

房野麻子[フリーランスライター]

房野麻子[フリーランスライター]編集:松本和大

Feb 3, 2025, 5:30 PM

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三木谷会長らの写真
左から楽天グループのティン・ツァイ専務執行役員、三木谷浩史会長、鈴木和洋専務執行役員。
撮影:房野麻子
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「『ChatGPTを契約してもパイロット(試験的な導入)で終わってしまう』という話を聞く」

こう話すのは、楽天グループ(以下、楽天)の専務執行役員であり、楽天モバイルの代表取締役共同CEOなどを兼務する鈴木和洋氏だ。

鈴木氏は、法人向けの生成AIサービスが数多くある中で、それらのサービスが実際のビジネスシーンで使われていない現状を指摘する。

理由は「現場で働く従業員が使いやすいと感じるようなサービスになっていないから」と鈴木氏。そこで楽天モバイルが1月29日に提供開始したのが、法人向け生成AIサービス「Rakuten AI for Business」。手軽に使える「テンプレート機能」によって、社内でのAI利用を後押しする。

楽天・三木谷会長が語るAI戦略の現在地。クレーム対応を90%削減するAIも社内展開 | Business Insider Japan

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AIになじみがなくても使いやすい機能

Rakuten AI for Businessの利用画面イメージ
Rakuten AI for Businessの利用画面イメージ。
出典:楽天モバイル
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Rakuten AI for Businessは、従業員が入力した質問(プロンプト)に対し、AIがチャット形式で返答する法人向けサービスだ。2024年8月に開催された楽天グループのイベント「Rakuten Optimism 2024」においてリリースが予告されていた。

議事録の文書化や翻訳、業務マニュアルの作成、商談がうまく進むようなトークスクリプトやメールの作成など、活用の幅は広い。しかし、「プロンプトは慣れないと意外にうまく使えない」と鈴木氏は語る。

そこで、AIにあまりなじみがなくても使いやすいテンプレートを用意した。職種を選ぶことで、それに応じたプロンプトのテンプレートが表示され、手軽に利用できる。例えば「人事/総務」を選ぶと、「採用候補者へのスカウト文章作成」といったテンプレートなどが表示される。

テンプレートの利用イメージ
豊富なテンプレートを用意する。
撮影:房野麻子

サービスの導入ハードルも下げた。導入のための新たな環境構築は不要で、初期費用はかからない。料金設定も1ライセンス10万文字まで月額1100円(税込)と、シンプルだ。

セキュリティー面では、入力した情報がAIの学習データとして無断で活用されることはない。また、社内の機密情報をNGワードとして登録しておけば、AIへの送信をブロックできる。

なお、Rakuten AI for Businessで使うLLM(大規模言語モデル)は、国内のデータセンターで動いているのかという質問があった。詳細は非公表に留まったが、鈴木氏は「セキュアな環境を確保している。日本ですべてコントロールができるようになっている」と説明した。


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