北村匠海が語る“妻”今田美桜への信頼感　2人で「ずっと号泣した」シーンも…6度共演　息ぴったりの背景

[ 2025年4月12日 08:15 ]

連続テレビ小説「あんぱん」第1話。朝日が差し込むアトリエ。中年の柳井のぶ（今田美桜）と柳井嵩（北村匠海）は…（C）NHK
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　俳優・北村匠海（27）が、NHK連続テレビ小説「あんぱん」（月～土曜前8・00、土曜は1週間振り返り）で「アンパンマン」生みの親・やなせたかしさんをモデルとした柳井嵩を好演している。ヒロインの今田美桜（27）とは6度目の共演となり、今作では夫婦役。今田との共演を、北村はどう感じているのか。スポニチアネックスの取材に応じ、今田への信頼感と撮影秘話を明かした。（中村　綾佳）

　「あんぱん」は、やなせさんと妻の暢さんを題材にした作品で、「アンパンマン」が生まれるまでの夫婦の軌跡を描いている。嵩の妻・のぶを演じる今田とは、今作で6度目の共演。「何度も共演してきて、『東リベ』ではたくさん救いに行きましたが、今回は僕が今田さんに救われる立場ですね」と、映画「東京リベンジャーズ」での役どころを引き合いに出し、今作の関係性を明かした。

　取材時には戦争シーンを撮影していたため「ほとんど会っていない状況」だと告白。「戦争に行っているので、今のぶはどんなことを考えて過ごしているのかな、早く会いたいな…って、本当の嵩のように考えている日々なんです。なので、そこはリアリティーを持って見ていただけると思います」と、リアルな感情が投影されているといい、今田との共演を待ち望んでいる様子だった。

　今田について北村は「リハーサルから何一つ手を抜かない姿をずっと見ている」と俳優としての尊敬と絶大な信頼を口に。「今作では、嵩はのぶに引っ張られる役どころ。僕は彼女の思いを、どれだけ純度高く受け取ることができるか…ということを課題としてやっています」と、夫婦役の役作りの背景を打ち明けた。

　印象的だったシーンを問うと、「2人で感情が高ぶって、1日中泣く日もありました」と明かす。「2人で打ち合わせをして涙を流すわけではなくて、お芝居の中でお互いがピュアに向き合っているからこそ流せる涙が本当にたくさんあったと思います」

　どんなシーンだったのか。北村に問うと「どこまで言っていいんでしょうか…（笑い）」とはにかみ「ヤマ場が詰まった日があったんです！」と告白。「のぶと嵩にとって『空き地』が凄く大事な場所になっていくんです。だから『空き地』のシーンがきたら、何かが起こると思ってください。とにかくこの撮影は、涙腺がぶっ壊れた日でしたね」と呼びかけた。

　そんな、夫婦役にふさわしい息ぴったりの2人。北村はこの夫婦の物語をどう見ているのか。

　「脚本はのぶの視点だけでなく、嵩の視点で描かれている部分もある。どちらか一方だけではないというのが、きっとこの夫婦2人の描き方なんだろうなと思いました。2人の目線で進んでいって、それが1つになった時に、初めて夫婦の物語が誕生するのだと思いました。お互いがお互いを支えているという描かれ方が、すごく温かい」と北村。「きっと人生は誰かと手をつないで歩かないといけない瞬間がたくさんあって。嵩は父を亡くし、母も去ってしまう。ずっと誰かと手をつなぎたい人生だったけど、それがかなわなかった。のぶは前を走ってくれていたから長いこと気付かなかったけど、お互いが人生経験を積んで隣に並んだ時に、ああ、この人が大切なんだと気付く物語だと思っています」

　撮影の外でも積極的に今田とコミュニケーションをとっているという北村。「芝居から外れた時の二人の会話とか、そういうところも、周囲から見た時に柳井夫婦に見えるといいなあと日々思いながら、そういう心を持ちながらやってます」。共演を重ねた2人だからこそ表現できる「柳井夫婦」の姿から目が離せない。