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“拝啓、中山さんへ” 岩井俊二監督 早すぎる旅立ちを「いまだに受け止められない」

[ 2025年4月4日 21:22 ]

<公開30周年記念「Love Letter 4K リマスター」公開初日舞台あいさつ>舞台あいさつに登壇した(左から)岩井俊二監督、豊川悦司、酒井美紀(撮影・藤山 由理)
Photo By スポニチ

 映画監督の岩井俊二(62)が4日、都内で長編デビュー作「Love Letter」の舞台あいさつを行った。

 昨年12月6日に54歳で死去した中山美穂さんが、アイドルから女優への転機になった作品で、公開30年を記念し4Kリマスター版で全国で上映されている。

 岩井氏は「昨年の年末に中山美穂さんが天国へ行ってしまいまして、あまりに急なことで衝撃だったんですけど、いまだに受け止めきれていないんです」と少しずつ言葉を紡いだ。

 4Kリマスター版公開の話しが進行し、準備を進める中では「映像を直視することが、何とも苦しいところもあったんですけど、美穂ちゃんになんとか喜んでほしくて、きょう間に合わせることができました」と頭を下げた。

 1994年10月から12月にかけて、兵庫・神戸市内と、北海道・小樽市内で撮影。2年前に雪山で命を落とした元婚約者を忘れられない女性(中山さん)が送った届くはずがない手紙を、亡くした婚約者の高校時代の同級生で、同姓同名の藤井樹(中山さん)が受け取り、“天国”から返事が届いたことから、止まっていた二つの恋が動き出していく。

 日本では95年3月に公開。1月には阪神淡路大震災、公開数日前にはオウム真理教による地下鉄サリン事件が発生。岩井氏は「とても映画を見に行く雰囲気ではなくて、そのまま終わってもおかしくなかった。でもなんとかバトンが繋がってアジアに広がっていった」と作品が持つ力について思いを明かした。

 作品は「第19回日本アカデミー賞」で優秀作品賞、カナダのモントリオール世界映画祭では観客賞を受賞。中山さんは「第38回ブルーリボン賞」など主演女優賞を総なめにした。

 中山さんの横顔のアップを撮影した、小樽市内にある天狗山のロープウェー乗り場には、いまもポスターを展示。訃報後には、同ポスターの下に「の下には「あなたの笑顔はこれからも天狗山に残り続けます」と記されたメッセージが掲載されるなど、いまも聖地として愛されている。

 99年に韓国と台湾でも公開され「お元気ですか?」のセリフが流行語になった韓国では、今年1月からリバイバル上映されている。
 中山さんに思いを寄せる青年を演じた豊川悦司(63)は「横に美穂ちゃんがいなくて残念」と寂しがり、「この作品は美穂ちゃんの代表作。『Love Letter』以前と以後と、彼女の仕事に対する考えが変わったと思う」と振り返った。

 劇中で中山さんの少女時代を演じた酒井美紀(47)は「私は当時16歳でした。中山美穂さんに憧れて女優になりたいと思っていた私の記念すべきデビュー作に、同じ役で出られたことがすごく光栄だった。たくさんの人に見ていただけてうれしい」と笑顔を見せた。
 22日には、東京国際フォーラム ホールB7で、中山さんのお別れ会が開かれる。一般の献花も受け付け、時間は午後3時間から午後5時半まで。  

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