lynx   »   [go: up one dir, main page]

/

中部地銀の4〜12月、全行が最終増益 利息収入増が寄与

詳しくはこちら

中部3県(愛知、岐阜、三重)に本店を置く地方銀行の2024年4〜12月期決算(単体)が14日出そろい、最終的なもうけを示す税引き利益は全行で前年同期から増加した。日銀の利上げに伴い貸出金や保有有価証券の利息・配当収入が増えた。金利競争の激しい住宅ローンに比べ収益性を見込める法人融資の比重を高める地銀も出てきた。

あいち銀行(旧愛知・中京銀行の合算)を含む全6行が税引き利益を伸ばし、合計では6729億円と前年同期比24%増加した。あいち銀行は72%増の105億円と大幅増益だった。政策保有株の売却などが83億円の増益要因になった。

名古屋銀行は53%増の121億円だった。貸出金利息や有価証券利息などからなる資金利益は313億円と23%増えた。金利上昇で値下がりした債券の売却による含み損処理も一巡した。前年同期に156億円あった国債等債券損益の赤字幅は76億円に縮小した。

金利上昇が追い風となり、資金利益は6行中5行で増加した。資金需要も堅調で、12月末時点の貸出金残高も5行が1年前から増加。中部地銀全体では3%増の26兆4520億円だった。貸出金利息の収入増につながった。

一方、金利上昇によって預金金利のコストも増えている。預金利息費用(連結)は全6グループで増加し、合計額は137億円と前年同期の4倍以上になった。3グループで預金利息のコスト増が貸出金利息の収入幅を上回り、預貸収益が悪化している。

収益性を巡って融資の中身も変わりつつある。住宅ローンはマイナス金利環境下で貸し出しをけん引してきたが、足元では金利競争を敬遠した一部の地銀が距離を置き始めている。大垣共立銀行は新規貸し出しを返済が上回り、住宅ローンを含む消費者ローンの残高は1%減った。貸出残高全体も微減に転じている。

名古屋銀行も消費者ローンの増加率が貸出残高全体の増加率を下回り、企業向け融資が軸になっている。中部圏の住宅着工が低調なことに加え、金利上昇の恩恵を得やすい企業向けの重要性が高まっている。

個人向けでは投資信託の販売が大きく伸びている。24年に始まった新NISA(少額投資非課税制度)が追い風になり、投信の預かり残高は6行合計で1年前から23%増の1兆703億円と、1兆円の大台に達した。十六銀行、大垣共立銀行、百五銀行は約3割の大幅増だった。

大垣共立銀行が1月に25年3月期通期の連結純利益の予想を43億円引き上げるなど、今期業績の上方修正が相次ぐ。期初時点では不良債権への備えなどから保守的な予想が目立ったが、想定以上に顧客の倒産などが少なかったほか、金利上昇が追い風となった。

日銀は1月に追加利上げに踏み切り、中部各行も相次いで預金金利や貸出金利の基準となる短期プライムレート(短プラ)の引き上げを発表している。大垣共立銀行の五藤義徳取締役は「今期への影響はわずかでも、中長期的には業績に厚みが出る」と話す。

地域ニュース

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

有料会員限定
キーワード登録であなたの
重要なニュースを
ハイライト
登録したキーワードに該当する記事が紙面ビューアー上で赤い線に囲まれて表示されている画面例
日経電子版 紙面ビューアー
詳しくはこちら

地方銀行や信用組合、信用金庫の最新ニュースをまとめました。人口減少が進む地方で経営統合による経営力強化や新規事業、地方企業育成などを進める各金融機関の最新ニュースや解説をお届けします。

関連トピック

トピックをフォローすると、新着情報のチェックやまとめ読みがしやすくなります。

セレクション

トレンドウオッチ

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
新規会員登録 (無料)ログイン
図表を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した図表はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン
エラー
操作を実行できませんでした。時間を空けて再度お試しください。

権限不足のため、フォローできません

ニュースレターを登録すると続きが読めます(無料)

ご登録いただいたメールアドレス宛てにニュースレターの配信と日経電子版のキャンペーン情報などをお送りします(登録後の配信解除も可能です)。これらメール配信の目的に限りメールアドレスを利用します。日経IDなどその他のサービスに自動で登録されることはありません。

ご登録ありがとうございました。

入力いただいたメールアドレスにメールを送付しました。メールのリンクをクリックすると記事全文をお読みいただけます。

登録できませんでした。

エラーが発生し、登録できませんでした。

登録できませんでした。

ニュースレターの登録に失敗しました。ご覧頂いている記事は、対象外になっています。

登録済みです。

入力いただきましたメールアドレスは既に登録済みとなっております。ニュースレターの配信をお待ち下さい。

_

_

_
Лучший частный хостинг