山火事越え涙の旅立ち、岩手・大船渡で中学卒業式
岩手県大船渡市の大規模山林火災の影響で休校し、10日に再開したばかりの市立東朋中は当初の予定通り13日に卒業式を開き、体調不良で欠席した1人を含め3年生33人が学びやを旅立った。
池田駿さんは「避難所から受験に行くとは思わず、いつも通りやれるか不安だった。みんながいたから卒業まで来られた」と喜びの涙を浮かべた。
同校は出火翌日の2月27日から臨時休校し、28日〜3月7日には避難指示区域に含まれた。5日開始の県立高校入試を前に、生徒らは学校が開いた勉強会に避難先から通うなどして備えた。3年生の約2割は休校明けも避難先から登校した。
村松正博校長は式辞で「平穏な形で式を迎えられるはずだったと思うと、胸が痛む。いろんなことを経験したことで、皆さんがこれからも強くなると信じている」と呼びかけた。
卒業生代表の磯谷あかりさんは「私たちは最高の仲間です。どんな時でも物事を前向きに捉え、感謝の気持ちを忘れずに頑張ります」と涙をこらえて決意を述べた。
火災は2月26日に発生した。焼失面積は約2900ヘクタールに上り、平成以降で最大規模。住宅を含む建物210棟が被災した。市は3月9日に鎮圧を発表した。〔共同〕