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投資判断の「解像度」が上がる 有望テーマ・銘柄を徹底解説

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日経ヴェリタスのコンテンツ

トランプ株高、審判のとき 市場専門家76人に聞く

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1月5日に米大統領選挙の決戦が迫る。米大手運用会社インベスコのストラテジスト、クリスティーナ・フーパー氏は「接戦だ。過去の大統領選時よりも株価の変動率が大きくなる可能性がある」と、投資家に注意を呼びかける。共和党候補・トランプ前大統領と、民主党候補・ハリス副大統領の戦いはまれに見る接戦だ。米政治サイト「リアル・クリア・ポリティクス」が集計した10月11〜31日の各種世論調査の平均によると、トランプ氏の支持率は48.4%と、ハリス氏を僅か0.3ポイント上回るに過ぎない。だが、株式投資にとって好機とみるプレーヤーは少なくない。「株価が下落したタイミングで押し目買いを進める」。三菱UFJアセットマネジメントで運用を手掛ける石金淳氏は、大統領選が終わりさえすれば両氏のどちらが勝利しても株価が上昇するとみて、運用資産に占める株式の比率を上げるタイミングを見計らってきた。…

パンパシHD、インバウンドけん引 海外成長が焦点

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ディスカウント店「ドン・キホーテ」を運営するパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(7532)の株価が18日、上場来高値を更新した。インバウンド(訪日客)需要が追い風となり、国内ディスカウント事業が売り上げを伸ばしている。一方でアジアなど海外事業は苦戦が続き、立て直し策が今後の焦点となる。…

好業績「エース」を狙え 大林組やリクルートに選別買い

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「びっくりしたのは建設株だ。手持ち工事の構成が良化しており変身は始まったばかり。数年は続くのではないか」。米系運用会社ニューバーガー・バーマンの窪田慶太・日本株式運用部長は建設業界の利益率改善に目を見張った。「視界が晴れてきている銘柄は最近積み増した」といい、建設株にも買いを入れた。…

気がつけば「2億ション」 東京都心100平米未満も

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「決して控えめな価格設定ではなかったのだが、ここまで実需層からの引き合いが強いとは…」。2026年に竣工予定の52階建てマンション「グランドシティタワー池袋」(東京・豊島)を担当する住友不動産の西沢孝・首都圏北営業所長は驚きを隠さない。…

2025年の運用戦略 金融とITの両面作戦で(阿部健児)

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本稿では2025年にかけての日本株のセクター投資戦略を議論します。結論を先に述べると、金融セクターを中心としたバリュー株とITシステム、電子部品、ゲーム株等を中心としたグロース株のバーベル戦略が有効と考えています。米長期金利とTOPIXバリュー/TOPIXグロースの相対株価には強い連動性がみられます(図表1)。金利上昇時は将来利益の割引現在価値が減少するため、将来利益が相対的に大きいグロース株が不利になることが理由と考えられます。…

株価急落時こそ投資、株主優待も楽しむ 七転び八起き

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「日経ヴェリタス」創刊以来の名物コラム。毎回1人の個人投資家を取り上げ、その人の投資歴の泣き笑いを赤裸々に紹介しています。今回のようこりんさんはサイクリングが趣味。コロナ禍以降、体力づくりに励んでいるそう。晴れた日には毎日15キロ走っているそうです。■2005年〜 投資を開始。新しく500円硬貨が発行されるという話が出ていたころ、友人に勧められた貨幣処理機大手の日本金銭機械の株を買った。年に一度カタログギフトが家に届いたことがきっかけとなり、株主優待について知る。近所の市役所に通い、新聞の広告欄を見ながら投資先選びを進めた。株式投資の本を読み「安い時に買い、値上がりしたら売る」という投資の鉄則を学ぶ。…

トランプ株高、審判のとき 市場専門家76人に聞く

11月5日に米大統領選挙の決戦が迫る。米大手運用会社インベスコのストラテジスト、クリスティーナ・フーパー氏は「接戦だ。過去の大統領選時よりも株価の変動率が大きくなる可能性がある」と、投資家に注意を呼びかける。

共和党候補・トランプ前大統領と、民主党候補・ハリス副大統領の戦いはまれに見る接戦だ。米政治サイト「リアル・クリア・ポリティクス」が集計した10月11〜31日の各種世論調査の平均によると、トランプ氏の支持率は48.4%と、ハリス氏を僅か0.3ポイント上回るに過ぎない。

だが、株式投資にとって好機とみるプレーヤーは少なくない。「株価が下落したタイミングで押し目買いを進める」。三菱UFJアセットマネジメントで運用を手掛ける石金淳氏は、大統領選が終わりさえすれば両氏のどちらが勝利しても株価が上昇するとみて、運用資産に占める株式の比率を上げるタイミングを見計らってきた。

ここまでは共和党銘柄が優位

既に市場の一角では、トランプ氏の勝利にかけたトレードを仕込む動きすらある。トランプ・メディア・アンド・テクノロジー・グループの株価は、10月31日には9月末比で2.2倍に跳ね上がった。刑務所運営のジオ・グループは同期間に18%上昇した。

米ゴールドマン・サックスが作った、共和党の政策で恩恵を受けそうな銘柄群の「共和党指数」は10月31日時点で1日比4.2%高。4.5%安に沈む「民主党指数」と対照的だ。ハリス氏の登板決定当初は民主党指数が優位だったが状況は一変した。

こうした動きは「一部の行き過ぎ」だろうか。ヒントになりうるのが市場関係者の声だ。日経ヴェリタスが組織する専門家ネットワーク「ヴェリタス・ラウンドテーブル」の参加者を対象に調査を実施したところ、選挙後の株高を見込む声が大勢だった(調査日程は10月23日まで。回答者は合計58社76人)。

トランプ氏が大統領選に勝利した場合の米S&P500種株価指数の9月末から年末までの騰落率予想では、「5〜10%上昇(6050〜6338)」との回答が5割弱を占めた。2割は「10%(6338)以上」を見込む。

2025年に期限を迎える個人所得税の減税措置の恒久化や法人税の減税、幅広い業種で規制を緩和するトランプ氏の政策は「株式市場にとってフレンドリー」(岩井コスモ証券の有沢正一投資調査部長)とみられるためだ。

有望銘柄として特に回答を集めたセクターは「エネルギー」(38人)と「金融」(32人)だ。トランプ氏は「環境配慮より化石エネルギーを優遇する政策を取ると予想される」(T&Dアセットマネジメントの浪岡宏チーフ・ストラテジスト)。

エクソン・モービル、ハリバートン、ピーボディ・エナジーなど石油や石炭などの関連企業に追い風が吹きそうだ。

金融については08年のリーマン・ショックを機に強まった規制を緩和したのが前回8年前のトランプ政権だった。再びの規制緩和路線を見越すかのように、大手金融の10月以降の株価は堅調だ。マネックス証券の岡元兵八郎・外国株コンサルタントは規制緩和関連で暗号資産(仮想通貨)にも注目する。

一方、第一生命経済研究所の藤代宏一・主席エコノミストはトランプ氏が掲げる製造業の国内回帰などに注目する。当選すれば、工場建設が活発化し建設機械などの関連需要が拡大する可能性がある。今回の調査で有望セクターとして「資本財・サービス」や「素材」を挙げる回答が比較的多かったのもこのためだ。

トランプ氏の政策で懸念が強いのは関税引き上げ。朝日ライフアセットマネジメントの武重佳宏・資産運用統括部長は「貿易・外交面での懸念が高まる」と指摘する。関税は自国の産業を保護する一方で、インフレを引き起こす恐れがある。これに減税政策による財政悪化が加わると、金利上昇圧力となり、株価に悪影響を及ぼす可能性がある。

一方、ハリス陣営への期待は見劣りする。S&P500の見通しでは「0〜5%上昇(5762〜6050)」が最多の4割。「0〜5%下落(5473〜5762)」を見込むのは2割超いた。

市場、ハリス氏に法人税増税懸念

ハリス氏が勝利し、上下院ともに民主党が多数を占めた場合、「法人税引き上げリスクがつきまとい企業収益のマイナス面が意識される」(アイザワ証券の三井郁男ファンドマネージャー)。9月末からの上昇率は5%未満にとどまるとの見立てだ。民主党のマニフェストは大企業や富裕層への増税をてこに中間層への分配を重視する左派色が色濃い。

加えて、既に市場はトランプ氏の勝利を織り込みつつある。「トランプトレードのポジションの解消で短期的に株価が下落する可能性がある」(岡三証券の松本史雄チーフストラテジスト)

株価の下落が想定される中では「ディフェンシブ銘柄が選好される」(アセットマネジメントOneの浅岡均シニアストラテジスト)との見方が大勢だ。有望業種として19人が「公益」を挙げた。

中間所得層への支援とともに、産業の国内回帰も柱に据える。CHIPS・科学法やインフレ抑制法(IRA)の巨額補助金を呼び水に、民間投資を促す考えだ。大和アセットマネジメントの高橋卓也チーフ・ストラテジストは、供給網再構築で半導体製造装置関連に追い風が吹くとみる。

民主党は電気自動車(EV)やクリーン・エネルギープロジェクトに対する補助金に注力する方針で、「トランプ政権に比べグリーンエネルギー銘柄に追い風になる」(オービス・インベストメンツの時国司日本法人社長)との見方が大勢だ。

ハリス氏はメディケア(65歳以上の高齢者向け公的医療保険など)の促進も掲げる。広い意味で「ヘルスケア」分野が有望との声は根強い。アセットマネジメントOneの岡竜也ファンドマネジャーは「公的医療保険業界に追い風が吹く」との考えを示した。

ただし、両候補ともに財政拡張方向の方針が目立つ。ヴェリタスの調査では、中期的にはインフレ再燃リスクを高めるとの声が多数あった。

(勝野杏美、山本朗生、安田亜紀代、松本裕子が担当した。グラフィックスは田口寿一)

[日経ヴェリタス2024年11月3日号]

パンパシHD、インバウンドけん引 海外成長が焦点

Buy or Sell

MEGAドン・キホーテ渋谷本店(東京・渋谷)

ディスカウント店「ドン・キホーテ」を運営するパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(7532)の株価が18日、上場来高値を更新した。インバウンド(訪日客)需要が追い風となり、国内ディスカウント事業が売り上げを伸ばしている。一方でアジアなど海外事業は苦戦が続き、立て直し策が今後の焦点となる。

パンパシHDの連結売上高は、前期(2024年6月期)に初めて2兆円を超えた。日本の小売企業ではセブン&アイ・ホールディングス(3382)、イオン(8267)、ファーストリテイリング(9983)に次ぐ4番手となっている。今期(25年6月期)は売上高が前期比6%増の2兆2200億円、営業利益が同7%増の1500億円と36期連続の増収・営業増益を見込む。

主力の国内ディスカウント事業は好調を維持している。24年7〜9月期の同事業の売上高は前年同期比で9%増えた。韓国や中国といったアジア圏のほか、米国からの訪日客が増え、キャラクター関連の商材やキャリーケースの販売が伸びている。

さらなるインバウンド需要の取り込みに向けた施策も打つ。東京・渋谷や大阪・道頓堀など旗艦店の周辺にインバウンドに特化した小型店を27年6月までに7〜8店舗出店するほか、訪日客専用アプリの開発にも着手した。

インバウンド消費の指標となる免税売上高を27年6月期に24年6月期比5割増の1750億円まで引き上げる計画だ。訪日客消費を押し上げる円安・ドル高が続くかは不透明となるなか、UBS証券の風早隆弘シニアアナリストはパンパシHDについて「高級品と比べて客単価が低く、為替変動による免税売上高の変動が相対的に少ない点は魅力で、訪日客数の増加と合わせた売上拡大を見込む」と指摘する。

課題は海外事業だ。前期はアジアの不採算店閉鎖に伴う減損損失などにより190億円の特別損失を計上した。香港は現地外食店との競争が激しいほか、物価高で買い控えが起きており、現地の需要を捉え切れていない。JPモルガン証券の村田大郎シニアアナリストは「海外事業の下振れ背景や評価、中長期展望が評価の鍵になる」と指摘する。

中長期で収益構造を好転させるため、事業モデルの転換を進める。吉田直樹社長は「海外事業は改善と微修正だけでは答えにならない。長期的な視点で取り組む」としており、3〜5年を事業成長にかかる期間の目安とした。

モルガン・スタンレーMUFG証券の古川藍株式アナリストは11月11日付のリポートで「長期的に大きな成長を実現すべく海外事業の抜本的改革に対し経営の強い意欲が示された点は好印象」と指摘した。

海外での発展を念頭にパンパシHDが現社名に変更したのは19年。前期の海外売上高は3296億円と、19年6月期(970億円)から3倍強に増えた。現在は海外事業が収益の過半を稼ぐファストリも、米国事業の黒字化には参入から15年以上を要した。国内事業が好調を維持するうちに海外での成長に対する期待を高められるかが、高値圏からの株価の行方を左右することになる。

(平岡大輝)

[日経ヴェリタス2024年12月22日号]

好業績「エース」を狙え 大林組やリクルートに選別買い

「びっくりしたのは建設株だ。手持ち工事の構成が良化しており変身は始まったばかり。数年は続くのではないか」。米系運用会社ニューバーガー・バーマンの窪田慶太・日本株式運用部長は建設業界の利益率改善に目を見張った。「視界が晴れてきている銘柄は最近積み増した」といい、建設株にも買いを入れた。

資材価格の高騰に苦しんできたゼネコン業界は価格転嫁を進めた。オフィスビルや工場などの旺盛な新設需要もあって採算が良くなっている。大林組は単体の完成工事総利益率が2024年4〜9月期に9.0%と前年同期より1.4ポイント高まった。連結純利益は551億円と85%増え、株価は決算発表の11日に上場来高値をつけた。清水建設は年間配当の上積みや自社株買いも好感され発表当日に20%高と急騰した。

11月中旬までに出そろった日本企業の4〜9月期決算には、「期待外れ」との声が少なくない。SMBC日興証券の集計によると、TOPIX(東証株価指数)採用の3月期決算企業の4〜9月期純利益は、ファンド損益の振れが大きいソフトバンクグループを除くベースで前年同期比2%増にとどまった。中国景気の停滞などを受けて自動車、鉄鋼といった製造業が失速し、日本株の上値を抑える一因となった。

ただ株価指数が足踏みするなかでも、稼ぐ力を高めた企業は上値を買われている。10月以降、東証プライム市場の1割弱にあたる約120社が上場来高値を更新した。投資家は好業績企業の選別買いに好機を見いだしている。

「好調組」の一角がリクルートホールディングスだ。12日に上場来高値をつけ、時価総額が終値で17兆円台に乗せて日本企業の5位に浮上した。中核事業の米求人サービス、インディードなど「HRテクノロジー」事業が好調で、25年3月期通期の純利益見通しを市場予想を上回る水準に引き上げた。

米労働市場の需給緩和は足かせになってきたが「有料求人広告1件あたりの売上収益の増加率が広告数の減少率を上回った」(荒井淳一執行役員)。担当アナリストからは応募や採用プロセスに応じた手数料体系の導入など、サービスの付加価値を高める取り組みに評価が聞かれる。

決算全体を見渡すと、日本株のファンダメンタルズ(基礎的条件)は悪化していない。かんぽ生命保険の空閑健一・市場運用部長は「外需の弱さは目立ったが悲観するほどではなかった。日本株のEPS(1株あたり利益)が中期で伸びていくシナリオは揺るがない」と話す。

生成AI・内需は強気、上方修正相次ぐ

外部環境が不透明ななかでも、期中に業績予想を強気に傾けた企業はどこか。日経ヴェリタスは日経500種平均株価採用銘柄のうち、金融・最終赤字予想を除く3月期決算企業を対象に、4〜6月期決算時の通期(2025年3月期)営業利益の会社見通しを起点とした「営業利益の上方修正率」をランキングした。

首位は住友化学だった。サウジアラムコとの合弁会社「ペトロ・ラービグ」と製薬子会社、住友ファーマの不振で前期は大幅な赤字に陥っていたが、構造改革を進めたことで上振れ幅が大きくなった。

上位には生成AI(人工知能)ブームの恩恵を受ける銘柄が多く入った。米エヌビディアの生成AI半導体向け試験装置を手掛けるアドバンテストや、データセンター向けの需要が伸びる古河電気工業やフジクラなどの電線大手が名を連ねた。

「非常にポジティブな決算」。9位にランクインしたアドテストについて、岩井コスモ証券の斎藤和嘉シニアアナリストはこう語る。アドテストは営業利益見通しを約2割上方修正した。高性能な生成AI向け半導体は、設計が複雑になりテスト項目・時間が増える傾向にある。半導体の開発から量産まで幅広い工程で試験装置の需要が伸びている。

営業利益の押し上げに寄与するのが、半導体の複数機能を1つのチップに集約したSoC(システム・オン・チップ)向けの販売だ。斎藤氏は「企業側はSoCの売上高は下期に下がるとしているが、部品調達のリスクを加味して保守的にみているのでは」と分析する。不透明感が払拭されれば業績上振れに拍車がかかるという。

今年度の企業決算は為替水準の動向に揺さぶられている。7月に1ドル=160円台まで円安・ドル高が進んだ後、9月には1ドル=140円台と円高方向に大きく振れた。輸出関連企業に逆風となる一方で、内需企業は上方修正ラッシュとなった。JPモルガン証券の西原里江チーフ株式ストラテジストは「小売りや食品、電力・ガス、運輸は年間の利益に対する進捗率は悪くない」とみる。

大手私鉄各社はインバウンド(訪日外国人)の増加を背景に、鉄道やホテル事業の収益を伸ばす見通しだ。上位には京王電鉄や東急、京阪ホールディングスなどがランクインした。9位の京王は約2割の上方修正となる。同社の都村智史社長は決算会見で「ホテル業の好調が継続しているのを踏まえて通期の業績は5月に公表した計画値を上回る」とした。不動産販売も業績全体をけん引するほか、鉄道運賃の値上げも寄与する。

インバウンドの追い風はテーマパーク事業にも波及した。27位のサンリオは主力キャラクター「ハローキティ」の50周年を記念した催しが奏功し、国内外の来場客を伸ばした。キャラクターのライセンス事業も米国や中国を中心に好調に推移している。同社は上期の業績好調が下期にも継続するとみる。

国内の個人消費は底堅いものの、力強さを欠くとの見方もある。物価変動の影響を除いた実質賃金は6〜7月に一時プラスに転じたものの、8月以降は再び小幅なマイナスに転じた。「家電や住宅など耐用年数の長い商材の消費回復は伸び悩んでいる」(大和証券の川原潤シニアアナリスト)という。

逆風下でも好調だったのが16位のエディオンだ。夏場の猛暑の恩恵を受け、大型エアコンの販売を伸ばした。上方修正率は約17%となった。家電だけでなく風呂やトイレなどのリフォーム商品を充実させる施策が収益に貢献する。

SMBC日興証券によると、東証株価指数(TOPIX)採用の3月期決算企業のうち、4〜9月期決算時点で通期の営業利益を上方修正した企業の割合は21.6%と、昨年の同時点(23%)に届かなかった。一方、下方修正した企業の割合は15.3%と昨年同時点の13.6%を上回った。

JPモルガン証券の西原氏は「下期は想定よりも円高・ドル安が進まず輸出企業を中心に企業全体にプラスの効果があらわれやすい」と話す。24年度に円高・ドル安が進行するとみて、想定為替レートを1ドル=145円前後に置いている企業は多い。足元の為替水準であれば想定より10円程度の円安となり、業績の上振れ要因となるとの見立てだ。

企業業績を巡る不透明感は長引く可能性が高い。25年1月には米国でトランプ新政権が発足する。関税引き上げなど保護主義的な政策が世界的に広がれば、輸出企業を中心に業績を下押しする要因にもなり得る。為替の動向と合わせて、新たな「貿易戦争」のリスクを念頭に置いておく必要がある。

(篠崎健太、勝野杏美、安田龍也が担当した。グラフィックスは田口寿一)

[日経ヴェリタス2024年11月24日号]

気がつけば「2億ション」 東京都心100平米未満も

今、マンションを買う①

「決して控えめな価格設定ではなかったのだが、ここまで実需層からの引き合いが強いとは…」。2026年に竣工予定の52階建てマンション「グランドシティタワー池袋」(東京・豊島)を担当する住友不動産の西沢孝・首都圏北営業所長は驚きを隠さない。

グランドシティタワー池袋(東京・豊島)は坪単価が約1000万円まで上昇(11月)

23年9月に第1期の抽選販売を開始した。見晴らしの良さや東京メトロ有楽町線・東池袋駅直結という好立地が人気を呼び、数回の価格見直しを経て坪単価は足元で約1000万円にまで上昇した。子育て世帯を意識した主力タイプの住戸は約75平方メートル。最新の坪単価での購入価格は2億円を超える計算になるが、ここまでの契約者の7〜8割は投資ではなく居住を前提とする「実需層」だ。

資産防衛の手段

マンション相場は異次元の領域に入った。不動産経済研究所(東京・新宿)によると10月の東京23区での新築発売分の6割にあたる474戸が1億円以上だった。グランドシティタワー池袋のほか「ザ・パークワンズ日本橋人形町」(東京・中央)や「グランドメゾン杉並永福町」(東京・杉並)などで、2億円以上の住戸が続々登場している。

価格上昇は東京都心以外にも広がる。今年5月に竣工した大阪市の「メトライズタワー大阪上本町」は全135戸が完売した。平均販売価格は9000万円弱で、最上階の住戸は2億円以上だった。京都市や仙台市でも2億ションが生まれている。

かつて「2億ション」といえば都心でも150平方メートルを超えるのが当たり前だった。現在、都心の2億円の住戸は平均100平方メートルを下回り「以前に比べ夢がない」(東京カンテイ=東京・品川の井出武上席主任研究員)。

それでも都心はもちろん郊外のターミナル駅や地方主要都市の好立地のマンションは、富裕層や投資家らを引き付ける。2億円台となると買い手は「経営者や医者が中心となる」(リクルートの柿崎隆SUUMO副編集長)。さらにそこに加わるのが、保有するマンションに含み益を抱えた会社員などの実需層だ。グランドシティタワー池袋では「都内の他のタワーマンションからの住み替えを検討する世帯も多い」(西沢氏)。

一般の会社員に2億円は厳しいが、共働きの「パワーカップル」の購入上限は1億円台前半へと切り上がりつつある。不動産仲介会社FJリアルティ(東京・中央)の藤田祥吾社長は「パワーカップルは高額のタワマンを資産防衛手段と位置付けている」と解説する。

こうした「半投半住」層の支えの1つとなっているのが、超長期の住宅ローンの広がりだ。住信SBIネット銀行では直近の借り入れの1割程度を35年超のローンが占める。利用者には30歳未満が多いという。

価格上昇は続くのか。不動産経済研究所によると首都圏の1〜10月の新規発売戸数は1万4953戸と前年同期比18%減った。年間発売戸数が2万5000戸を下回れば1975年以来となる。背景には人件費を中心とした建築コストの上昇がある。都心など高価格でも需要のある立地は開発用地も限られ、供給の少ない状況は続く。「都心マンションの価格が崩れる理由は見当たらない」(リクルートの柿崎氏)。

見えてきた限界

もっとも「過半を占める一般の実需層は限界を迎えている」(東京カンテイの井出氏)。郊外の新築マンションでは申し込みが計画を下回ったり、販売期間が長期化したりする例も出ている。地方では中古マンションの相場が転機にある。東京カンテイのデータでは10月は福島県や滋賀県など全国16県で価格が「下落」か「やや下落」だった。

不動産コンサルタントの長嶋修氏は「今後は三極化が一段と進む」と話す。都心の超一等地を中心とした上位15%のマンションは価格が維持されるか上昇する。富裕層や投資家を中心に需要があり、日経平均株価との連動性も高い。残りは価格が下がる。70%はなだらかな下落で済むが、下位15%は限りなく無価値になると予想する。

いよいよ訪れた2億ション時代。実態とその先を探った。

都心億ション、広がる購買層

高級住宅地の南麻布(東京・港)で初のタワーマンション「シエリアタワー南麻布」の建設が進む。27階建てで総戸数121戸。上層階からは東京タワーや富士山が望める。関電不動産開発が手掛け、2026年10月に竣工予定だ。

シエリアタワー南麻布(東京・港)は南麻布で初のタワーマンション(モデルルーム、11月)

南麻布は建築物の高さの規制などでタワマンを建てにくい。関電不動産開発は行政と2年越しの交渉を経て着工にこぎ着けた。居住空間を広くとるため柱が室内に出にくい設計とし、キッチンなど設備にもこだわる。

「富裕層や投資家のほかパワーカップルも見学に来る」と物件を担当する関電不動産開発の西村祥恵氏は話す。既にマンションや戸建てを保有する人が大半だという。第1期として12月に36戸の販売を始め、最低価格でも2億6600万円(面積71平方メートル)だ。ネット上では「(申し込み開始前に購入希望を伝える)要望書ベースで倍率は30倍」との声もある。これを逃すと南麻布で次のタワマンはなかなか出てこないかもしれないとの希少性が人々を引き寄せる。

不動産経済研究所によると、24年4〜9月に発売された東京23区の新築マンションの平均価格は1億1051万円。月間ベースでは10月まで6カ月連続で1億を超え、都心は「億ション」が当たり前になりつつある。東京カンテイによると2億円以上のマンションの販売戸数は23年に1000戸を上回った。

価格高騰の要因は複数あるが、見逃せないのが居住を前提にした「実需層」による購買力の高まりだ。富裕層だけではなく、ペアローンなどを使い高い額を支払ってでも資産性のある物件に住みたいと考える会社勤めの共働き世帯も億ションに手を伸ばす。結果、都心のマンション相場が押し上げられている。

「事前想定より一般の会社員など実需層からの問い合わせの割合が高い」。日鉄興和不動産の井上慎也・再開発推進部長は打ち明ける。26年竣工予定の34階建てマンション「リビオタワー品川」(東京・港)への物件エントリー約1万5000件(11月中旬時点)のうち居住目的は8割程度を占めた。会社員世帯が約6割にのぼった一方、富裕層らによるセカンドハウスや投資向けの割合はそれぞれ1割以下にとどまったという。

リビオタワー品川(東京・港)へのエントリーは約8割が「実需」という(モデルルーム、11月)

同物件は日鉄興和不動産が展開する「リビオ」シリーズの旗艦物件。総戸数は815戸で、再開発の進む品川・高輪ゲートウェイエリアの目玉となる新築タワマンだ。共働きの子育て世帯の入居も想定し、共用部に入居者専用のワークスペースやファミリールームも設置する。顔認証システムを導入するなどセキュリティー面の充実も強みだ。

25年3月に開始予定の第1期販売では、主力の3LDK(約72平方メートル)タイプの価格が1億6000万円台。専有部面積が80平方メートル台の住戸では予定価格が2億円を超えるものもある。

同じく26年に竣工する全522戸の「リビオシティ文京小石川」(東京・文京)はさらに実需層からの引き合いが強いといい、物件エントリーのうち会社員の割合は約7割にのぼる。学習・図書スペースを設置するなど子育て世帯を意識した設計が人気で、「モデルルームでのお客様対応は休日は当初1日3回転で対応していたが、問い合わせの多さを受けて4回転に増やした」(日鉄興和)という。

海外勢に人気の「3A」

海外勢や富裕層の投資意欲も引き続き旺盛だ。外国人向け不動産販売を手がけるプラザホームズ(東京・港)の都内の取扱物件数は23年に19年比42%増え、24年は同7割強増える見通しだ。久保健士営業部長は「新型コロナウイルス禍前は1億円前後だった物件相場が足元は2億〜3億円台に高騰している」と話す。

特に需要が強いのが、青山・麻布・赤坂の「3A」と呼ばれる地域だ。高い資産性に加えて、大使館や主要外資系企業のオフィスへのアクセスがよい点などが外国人からの人気につながっている。関西電力系の関電不動産開発がシエリアタワー南麻布で、都内のタワマンに参入するなど、需要が高止まりする中でデベロッパー間の競争も激化している。

建築コストの上昇も引き続きマンション価格を押し上げる要因となっている。建設物価調査会(東京・中央)によると、マンションを建築するための工事原価は15年比で3割上昇した。生コンクリートの打設に必要な型枠を組み立てる型わく工といった職人の人手不足が顕著だ。

慢性的に続く用地不足とあいまって、今後の新規供給はコストを確実に回収できるような高価格物件に偏ることも予想される。首都圏のマンション新規発売戸数はここ数年、減少傾向が顕著で、24年は2万5000戸を下回って約50年ぶりの少なさになる可能性がある。

専門家の間では「コスト増や供給減と同時に買い手側のパワーが増している構図を考えれば、少なくとも都心部のマンション価格の上昇が止まるような理由は今のところ見当たらない」(東京カンテイの井出氏)との見方が大勢だ。需給を両輪にしばらく上昇に歯止めはかかりそうにない。

(小池颯、松本裕子、佐藤日菜子、黒沢亜美、堀尾宗正。グラフィックスは田口寿一)

[日経ヴェリタス2024年12月1日号巻頭特集より抜粋]

2025年の運用戦略 金融とITの両面作戦で(阿部健児)

〈プロの羅針盤〉大和証券 チーフストラテジスト

本稿では2025年にかけての日本株のセクター投資戦略を議論します。結論を先に述べると、金融セクターを中心としたバリュー株とITシステム、電子部品、ゲーム株等を中心としたグロース株のバーベル戦略が有効と考えています。

米長期金利とTOPIXバリュー/TOPIXグロースの相対株価には強い連動性がみられます(図表1)。金利上昇時は将来利益の割引現在価値が減少するため、将来利益が相対的に大きいグロース株が不利になることが理由と考えられます。

米長期金利はレンジ相場へ

米長期金利は23年秋に約5%まで上昇しました。米連邦準備理事会(FRB)が米インフレ率低下を背景に24年9月から利下げを開始したことから米長期金利が今後5%を上回る可能性は低いとみています。

市場は2024年9月前半、FRBが利下げで後手に回り、米景気が悪化する結果、約2.8%まで利下げを行うと予想していました(図表2)。しかしFRBは強い雇用を守る意思を示し、9月米連邦公開市場委員会(FOMC)では通常より大きい0.5%の利下げを決定しました。これを受けて市場は米経済軟着陸の可能性が高まったと判断し、米政策金利見通しを上方修正しました。24年11月27日時点でFRBの利下げは約3.6%で一巡すると市場は予想しています。この米政策金利見通しの上方修正の結果、米長期金利は24年9月3.7%から同年11月4.3%に上昇しました。

ニューヨーク連銀のエコノミストが名目の米中立金利を4%近辺と推計していることなどから、市場の米政策金利予想はもう一段上方修正される可能性があります。そのため、FRBが利下げを進める中でも米長期金利の低下余地は限定的となり米長期金利は当面、レンジ相場で推移する公算が大きいと考えられます。

米長期金利がレンジ相場となれば日本株のバリューとグロースのパフォーマンス差も限定的となり、双方で有望なセクターをオーバーウエートにするバーベル戦略が有効とみています。

金融株のすすめ

バリューの中では3つの理由から金融を推奨します。

理由の1つ目は日本でゼロインフレ脱却を背景に長期金利の上昇が見込まれることです。

日銀短観の雇用人員判断によると人手不足感はバブル期以来の強さとなっています。企業は労働者の確保、モチベーション維持を目的に賃金を引き上げ、24年度の所定内給与の前年比は2%を超えて推移しています。

労働組合の全国中央組織である連合は今年10月に既に昨年と同等の賃上げ要求を行いました。また企業の長期期待インフレ率は日銀のインフレ目標2%を小幅に上回る水準で安定しつつあります。加えて法人企業統計によると、労働分配率は1985年以降で最も低い値となり、企業の賃上げ余力が大きいことを示しています(図表3)。

これらから日銀のインフレ目標2%と整合的な前年比2%超の賃上げ率が25年度以降も持続する可能性が高いと考えます。

さらに、日本の長期金利の妥当レンジを中長期の期待インフレ率、潜在成長率、バランスシート拡大による長期金利引き下げ効果の合計から試算してみましょう。

経営者と労働者双方のインフレ期待を反映する賃上げ率が前年比2%超で推移すると期待されることから中長期の期待インフレ率を2%近辺と想定します。

日銀は潜在成長率を昨年まで0%近辺と推計していましたが、現在では0.75%近辺と推計しています。潜在成長率の推計は難しいので従来の推計値も残し、0〜0.75%と想定します。

バランスシート拡大による長期金利押し下げ効果は従来約1%と日銀は推計していました。24年7月からのQT開始により約0.1%縮小し0.9%と想定します。

すると日本の長期金利の妥当レンジは1.1〜1.85%と計算されます。25年にかけて日本の長期金利が1.2〜1.3%に上昇する可能性は十分あるでしょう。

長期金利と、業種別株価(銀行業)の対TOPIXの相対株価は、強い連動性を維持しています(図表4)。日本の長期金利上昇とともに銀行株を含む金融セクターの株価のアウトパフォームが見込まれます。

2つ目の理由はトランプ新政権の政策の不確実性の高さです。トランプ前大統領が米大統領選前に掲げた政策には①減税、②規制緩和及び政府効率化、③シェールガス・オイルの開発、④関税引き上げ、⑤不法移民の強制送還、⑥FRBの金融政策への介入等があります。

これらの政策が企業業績に対する影響を正確に見通すことは難しいですが、国内需要への依存度が高いセクターほど、海外需要への依存度が高いセクターに比べて影響を受けにくく、不確実性が低いと考えられます。金融セクターは国内需要依存度の高いセクターの1つであり、この点もポジティブに働く可能性があります。

3つ目の理由は短期的ですが、日本株には高配当利回り株が12月以降、翌年の3月の配当の権利落ち直前までアウトパフォームする季節性がみられます。年度末の配当取りを目的として投資が行われるためと考えられます。金融セクターには配当利回りが相対的に高い企業も多く、かつ金利上昇を背景に業績が堅調で他のセクターに比べて減配リスクが小さいことも金融セクターを有利にするでしょう。

グロースはITシステム等

グロース株の中での推奨の1つはITシステム企業です。日本企業は人手不足に直面し生産性を引き上げる必要があるためIT投資を積極的に行っています。ITシステム企業は好業績を続ける可能性が高いでしょう。

2つ目の推奨は電子部品関連企業です。日本の電子部品・デバイス企業の在庫水準は低く、増産が続く可能性が高いと考えます。24年夏に高まった円高進行懸念の後退も日本の電子部品企業に追い風になるでしょう。

3つ目の推奨はゲーム関連株です。日本のゲーム関連株はその独自性の高さから世界的に高い評価を得てきました。新型ゲーム機の販売開始への期待も株価上昇につながる可能性があると考えています。

阿部健児 (あべ・けんじ)

1998年東大経卒、財務省に入省し国際局などで勤務。2007年に米ジョンズ・ホプキンス大で博士号取得後、日本株投資戦略の立案に従事。23・24年の日経ヴェリタス・アナリスト調査でストラテジスト部門首位。

[日経ヴェリタス2024年12月15日号]

株価急落時こそ投資、株主優待も楽しむ

七転び八起き

「日経ヴェリタス」創刊以来の名物コラム。毎回1人の個人投資家を取り上げ、その人の投資歴の泣き笑いを赤裸々に紹介しています。今回のようこりんさんはサイクリングが趣味。コロナ禍以降、体力づくりに励んでいるそう。晴れた日には毎日15キロ走っているそうです。

■2005年〜

投資を開始。新しく500円硬貨が発行されるという話が出ていたころ、友人に勧められた貨幣処理機大手の日本金銭機械の株を買った。年に一度カタログギフトが家に届いたことがきっかけとなり、株主優待について知る。近所の市役所に通い、新聞の広告欄を見ながら投資先選びを進めた。株式投資の本を読み「安い時に買い、値上がりしたら売る」という投資の鉄則を学ぶ。

■08年〜

リーマン・ショックを経験する。約1000万円のほぼ全財産が650万円に減った。株式市場では予期せぬショックが起こることを学んだ。保有していた優待株を損切りし、株価が制限値幅の上限(ストップ高水準)まで上昇し安定していたトヨタ自動車株に乗り換えた。トヨタ株の売り買いで500万円を取り返した。

■09年〜

トヨタの持ち株を減らし、割安となっていた優待株を新たに増やした。魅力的な株主優待が付いた銘柄を中心に、優待株に専念して取引した。信用取引も始め、資金が1億円まで膨らんだ。

■15年〜

中国株下落が世界に波及した「チャイナ・ショック」を経験する。赤字だった旧ミツミ電機を買収したことをきっかけに、旧ミネベアの株価が下落したことが気になった。調べたところ、ミネベアの事業自体に問題はなく、長期的には株価が回復するとみて保有株を増やした。思惑だけで下げている時は買いの機会になる。相場ショックこそチャンスだと実感した。

■現在〜

300〜400の銘柄に分散投資している。投資情報誌を読んだりチャートを見たりしたうえで、ファンダメンタルが良好な銘柄に投資している。目先の相場に一喜一憂せず、選んだ銘柄を長期保有するようにしている。ろうばい売りしないためには、自分なりの相場観を持つことが大切だ。魅力的な株主優待を受けられることが、長期保有のモチベーションになっている。

[日経ヴェリタス2024年12月8日]

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